海外SEO対策とは?成功のポイントと注意点を解説

グローバル市場に向けてビジネスを展開する企業にとって、海外向けのSEO(検索エンジン最適化)は欠かせない施策です。国内と同様に検索エンジンを通じてユーザーと接点を持つためには、各国の言語・文化・検索エンジンに適したSEO対策が求められます。
本記事では、「海外SEOとは何か?」という基本から、日本国内のSEOとの違い、施策の実行ステップ、注意点や活用ツール、外注時のポイントまで、実践的なノウハウを体系的に解説します。
海外展開を検討中の企業やWeb担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
海外SEOとは?基本の考え方を整理

海外SEOは、言語を翻訳すればよいという単純な話ではありません。検索エンジンの仕様、ユーザーの検索行動、文化的背景まで考慮した多面的な対応が求められます。国内SEOの経験があっても、海外向けには異なるノウハウと戦略が必要です。
このセクションでは、まず「海外SEOとは何か」という基本から、多言語・多地域展開の背景、グローバル化が進む現代においてなぜ必要不可欠なのかをわかりやすく整理します。
海外SEOの定義と目的
海外SEOとは、特定の国や地域、言語のユーザーに向けて検索エンジンからの流入を増やすために最適化されたWebマーケティング施策です。単に英語ページを用意するだけでは不十分で、各国の検索エンジンの仕様、言語文化、検索ニーズに合わせた対応が求められます。
目的は、現地ユーザーに正しく情報を届け、CV(問い合わせ・購入)を最大化することです。
多言語・多地域対応が求められる理由
国際的に展開するWebサイトでは、言語だけでなくターゲットとする国・地域の特性に応じた対策が必要です。例えば同じ英語圏でも、アメリカとイギリスでは表現やキーワードが異なります。多言語対応だけでなく、多地域に応じた適切なページ構造とSEO設定(例:hreflang)が重要であり、グローバルな集客には不可欠な視点です。
海外SEOが重要視される市場背景
近年は日本企業の越境ECやグローバル展開が加速しており、オンライン集客の競争も国際化しています。現地検索に強いサイトを構築できれば、広告に頼らずに安定的な流入を獲得できます。加えて、BtoB企業では現地の見込み顧客への信頼性向上にもつながるため、SEOはコスト効率の良い戦略的手段といえます。
日本のSEOと海外SEOの違いとは

日本国内で通用するSEOの知識だけでは、海外市場での最適な施策は実現できません。検索エンジンのシェア、言語表現、文化的な背景など、さまざまな違いが海外SEOにおける戦略を大きく左右します。このセクションでは、日本と海外のSEOにおける主要な違いを4つの視点から整理し、グローバル展開を目指す上で必須となる知識を解説します。
使用する検索エンジンの違い
日本ではGoogleが圧倒的シェアを誇りますが、中国ではBaidu、ロシアではYandex、韓国ではNaverが主流です。各国の検索エンジンには独自のアルゴリズムや評価指標があり、それぞれに最適化する必要があります。
Baiduは、中国語でのコンテンツ最適化やICPライセンス取得など、国別の要件にも対応しなければなりません。
言語・翻訳精度による影響
直訳しただけの翻訳ページは、ユーザー体験を損ない、SEOにも悪影響を及ぼします。各国の検索エンジンは文法や表現の自然さを評価指標として取り入れており、違和感のあるコンテンツはランキングを下げる要因になりますので、注意が必要です。
海外からのアクセスを伸ばしたいのであれば、ネイティブライターによる翻訳・ローカライズが、海外SEOにおける基本となります。
文化・商習慣の違いとSEO施策への反映
ユーザーが好む情報の表現方法や意思決定プロセスは国によって異なります。例えば、日本では詳細情報や実績が重視される一方で、欧米では簡潔かつ結論重視のコンテンツが好まれます。このような文化背景を理解し、ページ構成やCTAの設計に反映することが、現地ユーザーのCV率向上につながるのです。
検索トレンドやユーザー行動の違い
国や地域によって検索されるキーワードの傾向やボリューム、ユーザーがアクセスする時間帯、デバイスの比率なども異なります。例えば、アジアではモバイル中心の検索が多く、欧州ではPCとの併用が多いなど、ユーザーデータに基づいた分析と対応が必要です。現地調査やアクセス解析ツールを活用し、施策に落とし込むことが大事です。
海外SEOで重要な対策項目

海外SEOに取り組む際は、日本国内向け以上に多くの要素を考慮する必要があります。検索エンジンに正しく評価される構造設計や、現地ユーザーに合ったコンテンツ、技術的な最適化など、どれも欠かすことができません。
この章では、海外SEOで成果を上げるために押さえるべき代表的な対策項目を網羅的に紹介します。
キーワードリサーチの方法(海外版)
海外SEOでもキーワード選定は成功のカギを握ります。ただし、日本語とは違い、単語の綴りやニュアンスが異なる場合があるため、単純な翻訳では不十分です。GoogleキーワードプランナーやAhrefs、SEMrushなどのツールを活用し、現地ユーザーが実際に検索しているフレーズをリサーチする必要があります。地域別の検索ボリュームや競合状況も分析し、現地市場に合ったキーワードを選びましょう。
さらに、対象国の検索意図やトレンドを読み解くには、SNSやレビューサイト、現地ニュースメディアなどからも言語の使われ方を観察するのが効果的です。例えば「cheap」ではなく「affordable」など、文化的背景に応じた語感の違いを把握することで、自然なキーワード選定が可能になります。また、複数国を対象とする場合は、国ごとにキーワード戦略を分ける必要があるため、ターゲット市場ごとのペルソナ設計も重要な視点となります。
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サイト構造とURLの最適化(gTLD/ccTLD/サブディレクトリ)
海外SEOでは、URL構造も評価に影響します。gTLD(.comなど)を使いサブディレクトリで国別に分ける方法、あるいはccTLD(.fr、.cnなど)を使用して国別ドメインを分ける方法など、ターゲットとする国・言語に応じて戦略を選択します。GoogleはccTLDをその国に強く関連付けますが、管理コストやスケーラビリティも考慮が必要です。
サブディレクトリ(/us/、/fr/など)はドメインパワーを一元化できる利点があり、すでに評価を得ているメインサイトの恩恵を受けながら、多言語SEOを展開するのに適しています。一方で、ccTLDはユーザーの信頼感を得やすく、ローカル検索でも有利になるケースがあります。
また、サブドメイン(us.example.com など)という選択肢もありますが、Googleは独立したサイトとして評価する傾向があるため、運用方針やリソースに応じて選定することが重要です。サイト構造とURL設計はSEOの基盤であり、初期段階での設計ミスが後の運用コスト増や順位低下に直結する可能性があるため、慎重な判断が求められます。
サーバーの設置場所と表示速度の最適化
サイトの読み込み速度はUXだけでなくSEOの評価指標にも含まれます。特に海外ユーザーに向けて配信する場合、物理的に離れた場所にサーバーがあると表示速度が低下するリスクがあります。
CDN(コンテンツデリバリネットワーク)の活用により、各地域で高速表示を実現し、離脱率の低下とCV率向上を目指しましょう。
hreflangとlang属性の正しい使い方
多言語サイトでは、Googleに「どのページがどの言語・地域向けか」を正確に伝えるために、hreflang属性の設定が不可欠です。lang属性との併用により、検索エンジンはコンテンツの対象を正しく認識できます。設定ミスがあると重複コンテンツ扱いになったり、意図しない地域に表示されてしまうことがあるため、正確な記述と定期的なチェックが必要です。
hreflang属性は、HTMLのhead要素またはHTTPヘッダーに記述し、対象言語・地域のバージョンすべてを相互に参照し合う形で設定することが推奨されます。例えば、英語版(en)とフランス語版(fr)がある場合は、それぞれのページに双方のhreflangタグの設定が必要です。また、自己参照のhreflang(自ページ向け)も含めることで、完全なマークアップにもなります。
外部リンク(被リンク)の獲得方法
海外のドメインから被リンクを獲得することで、現地検索エンジンでの信頼性が向上します。現地メディアへの寄稿、業界ポータルへの登録、SNS連携など、ターゲット国での自然なリンク獲得を目指します。また、スパム的なリンクはペナルティの対象となるため、リンク元の品質にも注意が必要です。
ネイティブによるコンテンツ制作の必要性
海外SEOでは、現地ユーザーの感覚に寄り添った自然なコンテンツが求められます。単なる翻訳ではなく、文化背景や商習慣を踏まえたローカライズが必要であり、そのためにはネイティブのライター・編集者が関与することが理想です。検索意図に沿った構成と表現で、現地で信頼される情報発信を目指しましょう。
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海外SEOの進め方ステップガイド

実際に海外SEOを導入する際には、どこから手をつけて、どのように進めていくべきか悩む方も多いはずです。戦略的に取り組むためには、順序立てたステップ設計が不可欠です。この章では、海外SEOを段階的かつ実践的に進めるための5つのステップを解説します。
ステップ1:ターゲット国と言語を決定する
海外SEOの第一歩は、どの国や地域、そしてどの言語をターゲットとするかを明確に定めることです。国によって検索エンジンのシェアや検索トレンド、ユーザーの検索行動は大きく異なるため、事業の優先順位や市場規模、競合状況をふまえた選定が重要です。例えば、英語圏を対象とする場合でも、アメリカ、イギリス、オーストラリアでは使用される語彙や表現が異なるため、地域別に最適化戦略を分ける必要があります。
また、ひとつの言語が複数の国で使用される場合は、「言語」と「地域」を別々に考え、ドメイン戦略やページ構成にも反映させましょう。ターゲットを曖昧にしたままでは、コンテンツの方向性がぶれてしまうため、初期段階での明確な設定が成功の鍵となります。
ステップ2:キーワードを抽出・選定する
ターゲット国と言語が決まったら、次に行うべきは現地のユーザーが実際に検索しているキーワードの調査です。日本語をそのまま翻訳しても、意味や語感が異なったり、現地では使われない表現であることが多いため、必ず現地語での検索行動を調査する必要があります。
Googleキーワードプランナー、Ahrefs、SEMrushなどのSEOツールを活用し、月間検索ボリュームや競合性を分析したうえで、狙うべきキーワードを選定しましょう。また、「cheap」よりも「affordable」など、文化や価値観によって使われる単語が異なるケースもあるため、言語のニュアンスにも配慮することが重要です。検索意図を見極めながら、商機に直結するキーワード設計を行うことが、海外SEOにおける成否を分けるポイントです。
ステップ3:翻訳ではなくローカライズでコンテンツ作成
海外向けコンテンツ制作では、単なる翻訳ではなく「ローカライズ」が成功の鍵を握ります。直訳された文章は、たとえ意味が通じても現地ユーザーにとっては違和感のある表現となり、信頼感を損ねる要因になります。ユーザーが求めるトーンや語彙、文化的背景をふまえた表現に書き換えることで、自然で親しみやすい文章が実現します。また、ローカライズには単語の調整だけでなく、事例やCTA、FAQなどの構成自体を現地市場に適した形に設計することも含まれます。
ネイティブ編集者の関与や、現地の商習慣を理解したライターによる監修があると、より説得力のあるコンテンツに仕上がります。現地の検索意図と文化に即した内容を提供することが、SEO評価とCV向上の両立につながります。
ステップ4:Google Search Consoleでジオターゲティング設定
コンテンツを公開したあとは、Google Search Consoleを活用して対象国を明確に指定するジオターゲティング設定を行いましょう。特にccTLD(国別ドメイン)やサブディレクトリ(/us/、/de/など)で国別にページを展開している場合は、Googleに対して明確に地域の関連性を伝えることが可能です。この設定により、現地の検索結果における優先表示がされやすくなり、無関係な地域に表示されるリスクを低減できます。
Search Console内の「旧インターナショナルターゲティング」や「設定」メニューから対象国を選択するだけで簡単に行えるため、作業自体は負担が少なく、効果は非常に高い施策といえます。また、hreflang属性との併用で、地域・言語の混同を防ぐ精度の高いSEO対応が可能になります。
ステップ5:成果の測定と改善を繰り返す
海外SEOは一度施策を講じれば終わりではなく、継続的な効果検証と改善を前提とした運用が求められます。GoogleアナリティクスやSearch Consoleを活用して、検索順位、クリック率(CTR)、滞在時間、コンバージョン率などをモニタリングしましょう。特に国・地域ごとにパフォーマンスに差が出ることも多いため、データを細かくセグメントして分析し、どの市場でどのキーワードが効果を発揮しているかを把握することが重要です。
また、ユーザーの行動傾向や競合状況の変化に合わせて、キーワードの見直しやコンテンツの追加・更新を行うことで、検索順位の安定とCVRの向上が期待できます。PDCAを地道に回す体制が成果を伸ばす最大の要因となります。
海外SEOにおけるリスクと注意点

海外SEOは大きな集客効果が期待できる一方で、日本国内とは異なるリスク要因も数多く存在します。翻訳の質、法的規制、費用、運用体制など、慎重な対応が必要な項目も多いため、事前に対策を講じることが成功の鍵となります。この章では、よくあるリスクとその注意点を詳しく整理します。
翻訳精度が低いと信頼性が損なわれる
不自然な翻訳や直訳されたコンテンツは、現地ユーザーの信頼を損なう原因になります。意味が通じなかったり、誤解を招く表現はCV率の低下だけでなく、ブランドイメージにも影響します。翻訳には専門のネイティブスタッフの関与が必要です。
国ごとの法令・表現規制の違い
国によっては広告表現や医療・健康・金融などの分野に関して、表現の規制や法令が異なります。知らずに表現してしまうと法的リスクを抱える可能性があるため、事前の法令チェックやリーガルレビューが重要になります。
コストと工数がかかる点に注意
海外SEOは言語・地域ごとに対策が必要なため、日本国内向けよりも時間とコストがかかります。キーワード調査、翻訳、CMS対応なども含めた全体の工数を事前に見積もり、段階的に展開していく設計がおすすめです。
日本サイトと連動させる際のカニバリゼーションリスク
多言語ページを同一ドメインで展開する場合、日本語ページと他言語ページが同一キーワードで競合する(カニバリゼーション)リスクがあります。hreflangタグやサイト構造の工夫により、重複回避と明確なターゲット設定が重要です。
海外SEOに役立つおすすめツール

海外向けSEOを効率的に進めるには、ツールの活用が不可欠です。検索ボリュームやキーワード選定、パフォーマンス分析、競合調査など、目的に応じて適切なツールを使いこなすことで、作業時間の短縮と施策の精度向上が期待できます。この章では、特におすすめしたいツールを用途別に紹介します。
Googleキーワードプランナー(各国対応)
Googleキーワードプランナーは、海外SEOでも基本となるキーワード選定において非常に有用な無料ツールです。各国の検索ボリュームや月間トレンド、関連語句を調査できるため、現地ユーザーの検索行動に即した施策立案が可能になります。
また、国・地域・言語単位でのフィルターが可能なため、「英語圏」とひとくくりにせず、アメリカ・イギリス・オーストラリアといった国別の検索傾向を把握することもできます。
さらに、キーワードごとの競合性(低・中・高)や広告入札単価の目安も確認できるため、検索ニーズだけでなく商業的価値の高いキーワードの発掘にも役立ちます。
Google検索数(ボリューム)を調べる方法!キーワードプランナー調べる方法
Google Search ConsoleとBing Webmaster Tools
Google Search Consoleは、検索パフォーマンスの可視化と改善に欠かせない無料ツールです。対象国別に検索クエリ・CTR・平均掲載順位などを把握でき、海外SEOにおける改善点の特定に役立ちます。特に「国別の検索パフォーマンス」タブでは、各地域でどのページがどのように表示・クリックされているかを詳細に分析でき、ローカルごとの課題を明確化できます。
また、hreflangの設定エラーやインデックス登録状況の確認も可能で、多言語サイト運営時の技術的なトラブルの早期発見にもつながります。
一方、Bing Webmaster Toolsも見落とせません。アメリカや欧州など、Bingのシェアが高い地域をターゲットとする場合には、Googleとは異なる検索データを取得し、最適化の視点を広げることができます。
Ubersuggest/Ahrefsなど競合調査ツール
UbersuggestやAhrefsは、海外SEOで競合分析やキーワード選定を行う際に非常に役立つ高機能なツールです。競合サイトが獲得している被リンクの構造や、ランクインしているキーワード、流入経路の傾向を可視化できるため、自社が狙うべき領域の把握に活用できます。
特にAhrefsでは、国別の検索エンジン向けデータを抽出でき、ターゲット市場における現地競合の戦略的ポジションを分析するのに効果的です。Ubersuggestは比較的低価格で導入でき、簡易的な競合チェックやキーワードリストの収集に向いています。
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)の使い方を分かりやすく解説!無料版や拡張機能についても解説
PageSpeed Insightsで速度最適化
PageSpeed Insightsは、Googleが提供する無料のサイト表示速度分析ツールで、海外ユーザー向けの表示最適化に欠かせない存在です。特定ページのURLを入力するだけで、モバイル・PC別に読み込み速度やUX指標(Core Web Vitals)を評価し、改善点を具体的に提案してくれます。
特に、**Largest Contentful Paint(LCP)やCumulative Layout Shift(CLS)**などの指標は、ユーザー満足度やSEO評価にも直結するため、海外SEOでも重視すべき要素です。また、PageSpeed Insightsは各国のネット環境を考慮した実測値も提供しており、アジア・欧州・北米といったエリアごとの表示パフォーマンスの差異も把握しやすくなります。
WebPageTestで地域別パフォーマンス測定
WebPageTestは、世界各国のサーバー拠点を選択してWebサイトの表示速度をテストできる高機能なツールです。日本やアメリカ、ヨーロッパ、アジア各国など、実際の現地環境に近い条件でパフォーマンス測定が可能な点が、海外SEO対策において非常に有用です。
テストでは、First Byte TimeやStart Render、Fully Loaded Timeといった複数の指標を可視化できるため、ボトルネックとなっている要素の特定や改善優先順位の判断が容易になります。また、接続回線の種類(3G/4G/光回線など)やブラウザの種類も指定できるため、対象国に多いアクセス条件を再現したうえでチューニングを進めることができます。
海外SEOを外注・コンサルに依頼する際のポイント

海外SEOは専門的な知識とリソースが求められるため、社内での対応が難しい場合は外部パートナーへの依頼が有効です。ただし、外注先の選定や連携の仕方によって、成果に大きな差が生じるのも事実です。この章では、外注・コンサルを活用する際に確認すべきポイントを整理します。
ネイティブ対応可能なパートナーを選ぶ
海外SEOでは、翻訳精度だけでなく、現地の言語感覚や文化背景への理解が重要です。文法的に正しいだけでは、現地ユーザーに響く自然な表現とはいえず、検索エンジンの評価にも影響します。そのため、外注先には単なる翻訳者ではなく、ネイティブスタッフまたはローカルマーケターが関与しているかを確認する必要があります。
特に英語圏でもアメリカ・イギリス・オーストラリアでは語彙や表現が異なるため、地域特性に対応できるかどうかが成果を左右します。コンテンツ作成だけでなく、キーワード設計やメタ情報作成にもネイティブ視点が反映されているかが、信頼できるパートナー選定の鍵です。
翻訳ではなくローカライズ提案があるか
海外SEOでは、単なる言語変換ではなく、その国・地域の文化や消費行動に即した「ローカライズ」が不可欠です。AIなどによる日本語の直訳では不自然に聞こえる表現や、現地では通用しない比喩・言い回しは、コンテンツの質やユーザー体験を損なう可能性があります。
優れた外注パートナーは、翻訳の枠を超えて、現地で通用するコピーライティングや構成提案を行ってくれるのが特徴です。価格表示やCTA文言、FAQの構成までも現地仕様に最適化できるかを見極めましょう。ローカライズの視点が欠けていると、ユーザー離脱やCV低下、検索順位への悪影響にもつながるため、必ず提案内容のレベル感を確認することが重要です。
実績がある国・言語領域を確認する
海外SEOを依頼する際は、対象となる国や言語において、実際に成果を出した実績があるかどうかを必ず確認しましょう。例えば「英語対応可」と記載があっても、アメリカ市場とイギリス市場では戦略が異なり、実績が片方に偏っているケースもあります。
また、業種によっても求められる専門性が大きく異なるため、自社の商材やターゲットに近い案件での経験があるかをチェックすると安心です。できれば具体的な施策内容や数値改善事例、キーワード順位の推移など、定量的な成果が示されていると信頼性が高まります。提案時には、国別の検索エンジン特性やローカル競合の動向を踏まえた戦略が含まれているかを見極めが必要です。
コミュニケーションと報告体制の明確さ
海外SEOは中長期での施策になることが多く、運用中の進捗共有や改善提案がスムーズに行える体制が整っているかは極めて重要です。英語対応のみの報告では社内共有に時間がかかったり、齟齬が生じる恐れがあるため、日本語での窓口やレポート対応が可能かどうかを確認しましょう。
また、定例ミーティングの頻度、レポートフォーマット、キーワード順位やトラフィックの報告粒度なども事前に合意しておくと安心です。さらに、問い合わせや緊急時に迅速に対応できるサポート体制があるかも評価ポイントです。戦略共有と進捗確認を継続できるパートナーこそ、成果につながる外注先といえます。
まとめ
この記事で紹介してきたように、海外SEOは多言語・多地域対応や文化的背景への理解など、日本国内とはまったく異なる視点と技術が求められます。的確な戦略と運用体制を整えれば、広告に依存しない安定した集客チャネルを構築することも可能です。
海外SEOは、単なる翻訳作業ではなく、現地文化・ユーザー特性・検索エンジン事情を踏まえた総合的なマーケティング施策です。国・地域・言語の違いを理解した上で、正しいキーワード設計やコンテンツ制作、技術的対策を行うことで、グローバルな集客と成果につなげることができます。

合同会社楽々Edit 代表 山本 伸弥(やまもと しんや)
新卒でSEOコンサルティング会社に入社し、SEOコンサルタントとして戦略立案から営業、コンテンツ制作まで幅広く従事した後に、合同会社楽々Editを創業し代表取締役に就任。 中小企業から東証プライム企業、ベストベンチャー100まで累計300社以上のSEO改善実績を持つ。 国内大手SEOマーケティング会社10社とデジタルマーケティングカンファレンスも主催している。
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