as is to beは課題分析フレームワーク|誰でもできる7つの手順

「as is to be」は、ビジネスシーンにおいて利用されるフレームワークです。

  • 上司から「as is to beを使え」と言われたけど詳しく知りたい
  • as is to beはどんな場面で使えるのかわからない
  • 自分の業務にas is to beを取り入れられるのか疑問

という疑問をお持ちではないでしょうか?

この記事では、

  • as is to beとは
  • 利用シーン
  • 具体的な手順
  • やってはいけないこと

について解説します。

この記事を読んでいるあなたの実生活に活かせるように、丁寧に解説しますので最後までご覧ください。

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as is to beは課題分析に適したフレームワーク

as is to beは、ロジカルな考え方に基づいて、目的達成までの道筋を探れる手法です。

あるべき姿と現状を明確にすることで、正しい課題を解決するための解決手段を浮き彫りにできます。

ここでは、言葉の意味について解説します。

as isとは現状のこと

as isとは「現状の姿」を表す言葉です。

現状は、多くの視点で正しく把握することが必要です。

正しい現状把握のためには、できるだけ数値に基づいた事実やデータを収集してください。

経験による勘や予測、先入観などの感覚は、受け取る人によって認識がバラついてしまいますので避けましょう。

データに基づいた現状認識をすることで、正しい課題が明確になります。

to beとは理想の姿のこと

to beは、「理想の姿」や「あるべき姿」のことです。

as isと同じように、できるだけ数字やデータで判断できるものにしてください。

ただし、as isで指標としたテーマからはズレないように気をつけましょう。

時間軸として未来の要素を考えることになりますが、期間は必要により自由に設定できます。

5年後の目標と、1年ごとの予定を段階的に計画しても問題ありません。

as is to beはどんなときに使う?

as is to beは、ビジネスシーンにおいてさまざまな場面で活用できます。

ここでは、

  • 目標設定
  • マーケティング
  • 業務環境の改善

について紹介します。

個人や事業レベルなど、規模によらず適切な課題の抽出が可能です。

目標設定

「as is to be」は目標設定の場面において活用できます。

目標設定とは、事業としての5年計画など大きなものから、個人目標のような小さなものまで規模は選びません。

たとえば、チーム管理者がチームの目標を設定する場面でも使えます。

as isの設定段階では、メンバーの耳が痛くなることが話題になることもあるでしょう。

議論によって、全体のモチベーションが下がらないような話し方を心がける必要があります。

to beの設定においても、あるべき姿がチームの総意であることが不可欠です。

メンバーの意見を取り入れながら、全員が意欲的に取り組める課題を探してください。

マーケティング

自社のコンテンツをPRするマーケティングにおいてもas is to beが有効です。

特に売り上げや集客などは、数字で表せるのでわかりやすい指標になります。

また、混同しやすい「現状」と「課題」の切り分けも容易にできます。

たとえば、「取引先への訪問回数が少ない」は、現状と課題のどちらに該当するか多くの人が迷うのではないでしょうか。

「取引先への訪問回数が月2回」とすれば、現状に分類されることはイメージしやすいですよね。

一方、売り上げを上げるための課題として、「取引先への訪問回数が少ない=訪問先からの発注が全体の5%」と変換すればわかりやすい課題になります。

「少ない」という主観的な感覚ではなく、数値で分析することが大切な理由がわかります。

業務環境の改善

3つめの利用シーンは業務環境の改善です。

効率的な業務をおこなうために改善をしている会社は多いでしょう。

ただし、論理だったルートで改善をおこなわないと、やみくもに手段を変えるだけになってしまいます。

別の場所で、問題や課題が発生する可能性もあります。

as is to beを用いることで、体系的な議論に基づいた解決手段を導き出せます。

また、普段からメンバーが環境に不満を持っていれば、スムーズに議論が進むでしょう。

もし現状に問題意識がない場合は、潜在的な理想の姿を探すことになりますので、時間をかけた議論が必要です。

To beの設定が難しい場合は、数値やデータにこだわらず定性的な指標を設定してみましょう。

As is to beの3つのメリット

as is to beにはさまざまなメリットがあります。

ここでは

  • 論理だてた解決策を導き出せる
  • 解決策を考えるときに迷走しない
  • 可視化でき説明しやすい

について解説します。

論理だてた解決策を導き出せる

as is to beを用いることで、論理的な解決策を導き出せます。

必ず現状というスタートと、理想の姿であるゴールを明確にしてから解決策の検討に入るため、道を外れることがありません。

単純に解決策だけを議論すると、

  • やってみたい
  • 楽しそう
  • ほかの会社でもやっている

という意見が出る可能性もあります。

たとえば、ファミリー向けの商品を扱っている会社で、「売り上げを20%アップさせたい」という理想があったとします。

きちんと現状が分析できていれば、解決策としてファミリー層の注意を引くような宣伝手法が出てくるはずです。

楽しそうという理由で、「海外の巨大企業の宣伝手法をやってみたい」といった意見が出ることはないでしょう。

解決策を考えるときに迷走しない

「あるべき姿」というゴールを明確にすることで、解決策の迷走を防止できます。

現状というスタートもはっきりにしていますので、議論の道筋がブレることがありません。

解決策の抽出においては、自由に意見を出すブレーンストーミングにより議論するチームも多いと思います。

ともすれば、テーマに無関係な解決策が提案されることもあるでしょう。

また、議論の場に発言力のある上司がいた場合、一言で論点がずれてしまうことも少なくありません。

もしもas isとto beを明確にしていない場合は、そのまま的を射ない議論で終わる可能性もあります。

as is to beを用いることで、簡単に議論の軌道修正ができます。

可視化でき説明しやすい

誰が見てもわかりやすく、論理的な説明がしやすいこともメリットの1つです。

as is to beでは順番に議論が組み立てられますので、上長への説明も迷うことはありません。

  • 理想の姿
  • 現状
  • ギャップから浮き彫りになった課題
  • 課題に対する解決策

の4つを順番どおりにプロットしていくだけで、誰が見てもわかりやすい資料を作れます。

結論に至るまでの議論を可視化できますので、余分なコミュニケーションコストを下げることも可能です。

また、混同しやすい「現状」と「課題」も、as is to beでは明確に切り分けて考えます。

自分の中でも明確な切り分けができていますので、説明に苦慮することがありません。

As is to beの7つの手順

ここでは、as is to beの使い方について、具体的な手順を紹介します。

適切な課題抽出や解決策が実行できるフレームワークです。

ぜひ試してみてください。

テーマを決める

はじめに、何について考えるのかを明確にします。

1文程度で問題ありませんので、議論の方向性を決めましょう。

テーマ設定の段階では、時間軸を含めることをおすすめします。

たとえば、

  • 1ヶ月のECサイトアクセス数について
  • 6ヶ月のコスト削減について
  • チームの1年間の売り上げについて

のように、期間も明確にすることで、as isやto be段階の数値化ができるようになります。

最初にテーマを決めることは、意外と忘れがちなので気をつけましょう。

ここでは、サンプルとして「チームの1年間の売り上げについて」をテーマにしてみます。

to beを決める

次に、as isではなくto be(理想の姿)を設定します。

はじめにas isを設定するとas isを意識してしまい、達成可能なto beを設定してしまう可能性があります。

本質的な「あるべき姿」を目指せなくなりますので、to beから決めましょう。

「外部から期待されていること」や「何をすべきか」という観点で考えます。

サンプルテーマである「チームの1年間の売り上げ」においては、

  • 売上金額が1,500万円
  • セールススキルに関する勉強を月10時間
  • 週1回のミーティングで情報共有

などが考えられます。

ここでも数値で書き出すようにしましょう。

to beを考えることで、あるべき姿を言語化できることが最大のメリットです。

as isを記入する

続いて、as isを書き出します。

to beの項目に対して、現在の状態はどうなのかを書き出します。

必ず同じ項目で書き出すことを忘れないでください。

サンプルケースにあてはめると

  • 売上金額が1,300万円
  • セールススキルに関する勉強が月4時間
  • ミーティングが月に1回

となります。

メンバーにとっては耳の痛い話となる可能性はありますが、現状を理解せずに適切な改善はできません。

as isとto beを比較して課題を書き出す

次のステップは、課題の抽出です。

書き出したas isとto beを比較した差がギャップになります。

そのギャップを埋めるためにどんな課題があるのかを考えます。

項目as isto be課題
売上金額1,300万円1,500万円売り上げが200万円不足
スキルの勉強月4時間月10時間勉強時間が月6時間不足
ミーティング月1回月4回50万円の差がある

課題を解決する手段を明確にする

課題を抽出したら、解決する具体的な手段を明確にします。

期限もすでに決めていますので、より具体的な手段を考えられます。

たとえば「売り上げが200万円不足」という課題に対しては、

  • 顧客リストの訪問数を20%増やす
  • 6ヶ月後までに新商品を10種類増やす
  • 未実施のプロモーションを3種類試す

などの解決手段が考えられます。

これまでの手順と同じように、数値やデータで把握できる指標としましょう。

解決手段に優先順位をつける

もし解決手段が多数出てしまった場合は、優先順位をつけます。

すべての解決手段を実行してしまうと、リソースが足りなくなるうえに振り返りに多くの時間が必要になる可能性があります。

優先順位をつける場合は、その手段がきちんと課題の解決につながるかに着目してください。

「やってみたい」「楽しそう」という観点で選んだり、上司の一言で選んだりすると、目標達成から遠のいてしまいます。

これまで書き出してきた内容から、重点的に進めるものをメンバー間で共通の認識としましょう。

実行/振り返り

最後は、解決手段を実行し、どの程度to be「あるべき姿」に近づいたかを振り返ります。

解決手段を実行したことに満足してしまい、振り返りを忘れがちです。

このフレームワークの目的は、どれだけto beに近づけたかどうかですので、忘れずに振り返りをおこないましょう。

また、振り返りは最後だけでなく、一定の期間を決めて途中におこなっても効果的です。

振り返りの際は、個人を責めないように気を付けましょう。

もし目標に近づいていない場合は、解決手段の選択に問題があったのかもしれません。

あくまでも目的を達成するための手法であることを思い出してください。

as is to beでやってはいけないこと

as is to beフレームワークを用いる際に、よくある間違いを紹介します。

目的達成に向けて最大の効果が得られるよう、ここで紹介することに気をつけてください。

as isから書き出す

as is to beを活用する際は、as isから書き出してはいけません。

なぜなら、次のto beのステップにおいてas isで書き出した内容に影響され、実現可能な「あるべき姿」を設定してしまうためです。

たとえば売り上げの数値におけるas is(現状)が100万円だったとします。

あるべき姿が200万円だったとしても、「売り上げ200%増」は現実的でないように見えます。

そこで、to beをなんとなく達成できそうな120%程度に設定してしまうと、本来の意味を失うことになります。

あるべき姿は、実現可能かどうかよりも「あるべき姿」に重点をおいて設定すべきです。

現状を課題とする

現状をそのまま課題とすることも、よくある勘違いですので注意しましょう。

明確な切り分けをおこなうことで、効果的な解決手段を導くことが可能になります。

たとえば「毎日の報告書作成に1時間かかる」は、現状であり課題ではありません。

課題とするには「報告書作成に1時間かかり、その分ほかの業務に支障が出る」というようにする必要があります。

さらにいえば、課題においては数値やデータ、期限などを用いて具体的にするよう心がけましょう。

まとめ

今回は、as is to beについて解説してきました。

as is to beは、さまざまな場面で目標達成までの道筋を明確にできるフレームワークです。

内容をまとめると以下のとおりです。

  • as is to beは課題分析に適したフレームワーク
  • 規模によらず、適切な課題抽出が可能
  • 7つの手順で活用できる

漠然とした課題解決は、限られたリソースを無駄にしてしまいます。

効率的な課題解決のために、as is to beを活用してみましょう。

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この記事の監修者

クリニックや転職など競合性の高いSEOで上位表示を獲得実績が多数。
インハウスSEO(内製化支援)を法人に展開しており、クリニックや人材業界などジャンルを横断してクライアントへSEOの組織構築を行っています。

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