回遊率とは? サイトの回遊率を上げるポイントと具体的施策9選

回遊率は、WEBサイト内でユーザーが、どれだけページを閲覧したかを示す重要な指標です。

良質なコンテンツを提供し、ユーザビリティを高めることで、回遊率を向上させることは、コンバージョンを増やすなど、サイトの目的を達成するために大切です。

せっかく訪問したユーザーが、うまく回遊してくれないと悩むWEB担当者も多いと思います。そこで回遊率が低くなる原因や、サイトを改善して回遊率を上げるポイントを解説します。

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回遊率とは?

回遊率とは、サイトを訪れたユーザーの1回の訪問(1セッション)あたりのページビュー(PV)数のことを指します。

検索や広告などから流入し、最初に見たページから別のページに移動すれば、PV数が増えるため、回遊率が上がります。

回遊率が高いということは、一般にはユーザーの関心が高いと判断でき、一般には望ましいことでしょう。

ただ、単にコンテンツが見つからずに迷っていることもあります。

また、いったん閲覧をやめて、あとでまた同じユーザーが訪問した場合には、別のセッションとなるため、PV数は1からカウントされます。

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回遊率の計算

回遊率は、次の計算式で算出されます。

回遊率=PV数÷訪問数

たとえば、PV数が1000で、訪問数が400だった場合、回遊率は2.5となります。

回遊「率」といいますが、1セッションあたりのPV数ともいえます。

回遊率が高ければ、ユーザーの関心も高く、滞在時間も長いため、検索エンジンからも評価されるでしょう。

直帰率との違い

ユーザーが最初にサイトにアクセスした1ページだけを見て、そのまま離脱してしまうことを直帰といいます。

直帰率とは、「直帰率=直帰数÷訪問数」で算出される、全体のアクセス数のうち、最初に閲覧したページだけを見て離脱したユーザーの割合です。

直帰率は、サイト全体で算出することもでき、ページごとに算出することもできます。

離脱率との違い

離脱率は、特定のページのアクセス数全体のうち、そのページを最後に離脱した割合です。

「離脱率=そのページを最後に離脱したアクセス数÷そのページのPV数」で算出でき、離脱率はページごとに算出できます。

直帰率は、ユーザーが最初に訪問したページだけで離脱した割合を示すのに対し、離脱率は最初に訪問したページには限定せず、そのページを最後に離脱した数をPV数で割ったものです。

なぜ回遊率が大切か

直帰や離脱を防いで、次のページに遷移してもらえれば、回遊率は上がります。

回遊率が高いということは、ユーザ―がサイトのコンテンツに関心をもち、ユーザーエンゲージメントが高いということです。

資料請求や申し込みなどのコンバージョンが増えることも期待できます。

またサイトを気に入ってもらえれば、商品やサービスの説明、企業情報など、ユーザーに伝えたい情報に接触する機会も増え、再訪問を促進することもできます。

ブランド認知、広告価値の上昇にも結びつくでしょう。

サイトの滞在時間が長いこと、直帰率が低いことは、検索エンジンにも評価されます。

回遊率の高いサイトは、SEOにも有利な要因となります。

回遊率を確認するには

回遊率を確認するには、従来のgoogleアナリティクスでは、「ユーザー」のメニューから「概要」を選び、「ユーザーあたりのセッション数」という項目を確認します。

グラフをクリックすると回遊率がわかります。

ただしgoogleアナリティクスは現在、Google アナリティクス 4(GA4)への移行期間です。

GA4では、「レポート」のメニューから「エンゲージメント」の中の「イベント」メニューを選ぶと、ページビューのイベントの項目に「ユーザーあたりのイベント数」の表示があります。

GA4では、セッション、イベント、エンゲージメントなどの項目や概念が従来のアナリティクスから変更されていますので、注意が必要です。

[UA→GA4] 指標の比較: Google アナリティクス 4 とユニバーサル アナリティクス

https://support.google.com/analytics/answer/11986666

回遊率を改善するためにサイト分析をするには?

サイトを改善するためには、回遊率、直帰率などの数値だけを単に見るのではなく、どのページやキーワードからの流入が多いか、どのページが直帰率が高いか、滞在時間やページ遷移などのユーザー行動を分析しなければなりません。

アクセス解析

アクセス解析では、どのページに流入が多いのか、アクセスはオーガニック検索か、広告やSNSからのアクセスかといったことを確認します。

検索キーワードを調べ、ユーザーの検索意図や属性から、ユーザーが何を求めてサイトを訪問したのかを調べます。

直帰率が高いページや、滞在時間の短いページなどは、ユーザーにとって有益でないか、使いにくいページである可能性があります。

回遊の多いページや、滞在時間の長いページなどは、ユーザーニーズを満たしていると考えられます、

さらにどのようなコンテンツで他のページ、目的となるコンバージョンに誘導すればいいのかを考えるヒントになります。

ヒートマップ

直帰率や離脱率の高いページは、何が原因なのかを突き止めることが有効です。

ヒートマップは、ページ上のマウスの動きやクリックを追跡し、色とその濃淡でユーザー行動を視覚化できるツールです。

マウスの動きとユーザーの視線の動きとは相関するため、ユーザーがページ内のどこに注目し、どこまでスクロールしているかがわかります。

逆に、スクロールの途中のどこで離脱されやすいか、どのリンクはクリックされないのかも分析できます。

A/Bテスト

2つのバナー、あるいは2つのコピー、コンテンツなどを用意して、どちらがクリック率が高いかといったテストを行い、自動的にデータが集計されるのが、A/Bテストです。

比較テストともいわれ、ツールで実行し、より効果のあるコンテンツを採用するために役立ちます。

回遊率を下げてしまう原因は?

回遊率を下げる原因は、大きく分けて次の3つです。

サイトを訪問したユーザーは、一瞬で読み進むか、離脱するかを判断してしまいます。

ユーザビリティに問題がある

ページ読み込みが遅い、画像がなかなか表示されない、文字の色や広告が煩わしい、サイトが使いにくいといったことは、離脱の原因になります。

特にスマートフォンでは、横幅が狭くスクロールが必要なことや、操作に制約があることから、注意が必要です。

モバイルユーザビリティは検索エンジンでも重要な指標です。

ユーザーに有益なコンテンツを提供していない

ユーザーの検索意図や、被リンク元の紹介のされ方と、ページの内容が合致していない場合には、ユーザーの期待を満足させることができません。

コンテンツの内容が少なく、信頼性が低いといった場合にも、ユーザー離脱の原因となるでしょう。

関連記事:SEOキーワードの入れ方は?設定方法とコツ・検索で上位表示できる方法を解説

適切なサイト内リンクが設定されていない

記事を読み終わっても、適切な内部リンクが設置されていない、サイト内のメニューがわかりにくいといった問題があると、ユーザーは去ってしまいます。

関連コンテンツへのリンクや、目的となるランディングページへの導線を設定し、ユーザーを迷わせないことが大切です。

回遊率の改善はどのページから手をつける?

回遊率を上げるには、どのページから手をつけたらよいでしょうか?

ここでは、その考え方を紹介します。

流入の多いページ

流入の多いページは、検索で入力したキーワードの検索意図や、被リンク元のアンカーテキストや紹介文、SNSでの紹介などによりユーザーがアクセスしています。

ページの直帰や離脱を減らすことができれば、もともと流入が多いため、改善効果は大きくなり、サイト全体の回遊率を上げるのに効果的です。

また、流入が多いためデータをとりやすく、改善の効果を検証しやすいため、最初に手をつけるのがよいでしょう。

検索意図やユーザーニーズに合った有益なコンテンツを提供し、ユーザビリティや、内部リンクによる回遊性を高めましょう。

直帰率・離脱率の高いページ

直帰率が低いページは、逆に検索意図に合っていない、コンテンツの質が低い、あるいはページの読み込みが遅いなどユーザビリティ上の問題がある可能性があります。

中にはページを見て満足したから離脱することもありますが、その場合にはページ滞在時間は長いはずなので、アクセスを詳しく調べればわかります。

回遊率の高いページは、より高く

直帰や離脱が少ないということは、回遊率が高いページだといえます。

そのページで有益なコンテンツを提供し、ユーザビリティ上の問題もないようであれば、特に施策の必要がないようにも思えます。

ただし、ページ滞在時間が短い場合には、探していたコンテンツがないために他のページに遷移しただけの可能性もあります。

回遊率が高く、特にアクセス数も多いページの場合には、さらに回遊率を改善できれば、サイト全体の回遊率が上がります。

そこでアクセス数の多いページや重要なページを中心に、さらなる改善をするのがよいでしょう。

導線設計で、回遊率を下げるボトルネックを解消

流入ページから、コンバージョンまでの間に、適切な導線を設計し、サイトの目的を達成できるように回遊してもらうことが大切です。

たとえば、集客記事から、次に商品ページを見てもらい、購入方法や使用方法などのページも確認し、申し込みページに進んでもらうといった流れを想定します。

流入ページによって、いくつもの導線の設定が必要になるでしょう。

その導線の中で、離脱の多いページを発見し、ページ内のどこにその原因があるかを考え、ボトルネックを1つ1つ解消していくことが、サイト全体の回遊率を上げ、成果を出す秘訣です。

回遊率を上げるための9つの具体的施策

回遊率を下げる原因を取り除けば、改善をすることができます。

ここでは9つの具体的施策を紹介します。

1.検索意図に合わせてコンテンツの改善

コンテンツに問題があるとわかった場合には、検索意図に合わせて、コンテンツの質を高めます。

キーワード調査により、必要であれば検索意図を見直します。

検索意図が時間の経過により変わることもあり、コンテンツが古くなる場合もあります。

写真や図解、表、動画なども使い、ユーザーニーズに合った有益なコンテンツを提供します。

検索意図がいろいろ考えられる場合には、関連するページへの誘導なども行います。

2.ユーザビリティの改善

ページの読み込みが遅い場合には、画像の最適化、cssやJavaScriptなどの軽量化、サーバーの高速化などを行います。

見にくい文字やバナー、わかりにくいメニュー、使いにくいボタンなどを改善し、邪魔になる広告の表示をやめるといったことも回遊率の改善に効果を発揮します。

パンくずリストの設定や、モバイルでのアコーディオンメニューの使用など、サイト構造をユーザーに伝えるデザインが有効です。

3.有益なコンテンツと適切な文字数

コンテンツには、必要な文字数があります。

必ずしも文字数が多いほどよいというものでもありません。

長い文章が続いて何度もスクロールが必要な場合には、読み進めるための工夫がないと、逆に途中で離脱してしまうこともあります。

4.画像や装飾で読みやすく

WEBの文章は読み飛ばされることが多く、特にスマートフォンでは顕著です。

見出しや強調文字だけを読んでも意味が通じる程度にし、画像や装飾、吹き出しなどを使って、読みやすくすることが大切です。

5.モバイルの表示にも問題がないか確認を

モバイルでも読みやすい表示を心がけ、リンクやボタンがクリックしにくいといった、ユーザビリティ上の問題も取り除きましょう。

6.チャットボットなどWEB接客で離脱を防ぐ

チャットボットは、ユーザーの質問に答えたり、関連するページをお勧めしたりできる、自動のプログラムです。

ユーザーがサイト内を回遊できるように、あらかじめ設定しておくことができます。

ポップアップ、おすすめページ・商品の表示など、WEB接客するためのツールがあり、活用することができます。

ただし、しつこい表示は避けましょう。

7.内部リンクの設計を見直す

WEBサイトの導線に問題があるとわかった場合には、必要な内部リンクの設計を見直しましょう。

関連ページやおすすめページには、記事の中や末尾からの導線があると、ユーザーの利便性も向上します。

アイキャッチやコピーなどで、リンク先の内容がクリックする前にわかるのが理想です。

ランディングページなど重要なページには、いろいろなところからリンクを設置すれば、SEOの面でも効果的です。

逆に、不要な内部リンクは整理したほうがよいこともあります。

8.ボタン、コピー、リンクカードにも工夫を

内部リンクを設定したリンク方法、たとえばリンク先の説明やコピー、アイキャッチ画像などで構成されるリンクカードや、ボタンなどを工夫することも、回遊性を高めるのに役立ちます。

9.サイト内検索やサイトマップで目的のページをわかりやすく

サイト内検索やナビゲーション、ユーザー向けのサイトマップなども、ユーザーを迷わせないための方法です。

ユーザーニーズに沿ったコンテンツが回遊率UPのコツ

ユーザーに有益で信頼のできるコンテンツを提供し、別のページも適切な内部リンクでおすすめし、ユーザビリティにも優れたサイトを公開することが、回遊率UPのコツです。

役に立つWEBサイトであるとユーザーに認識されれば、お気に入りへの登録や、SNSでの紹介がされるなどして、良い相乗効果を生むでしょう。

内製化してできる改善策も

サイトのちょっとした改善や、コンテンツマーケティングは、社内に担当者を置いて内製化することもできます。

サイトの更新もユーザーや検索エンジンに評価されるため、SEOの観点からも有効です。

回遊率の基礎と向上施策|まとめ

サイトの回遊率を上げるために、できることがたくさんあるとお気づきでしょう。

コンテンツの改善を支援するため、SEOの無料診断や、記事添削、コンテンツ内製化のための研修なども弊社では行っています。さっそくアクセスを解析し、コンテンツに問題がないかどうか、問題があるとしたらどこを改善するべきか、できるところから取り組んでみましょう。

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この記事の監修者

クリニックや転職など競合性の高いSEOで上位表示を獲得実績が多数。
インハウスSEO(内製化支援)を法人に展開しており、クリニックや人材業界などジャンルを横断してクライアントへSEOの組織構築を行っています。

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