【最新】プロダクトローンチとは?メリットや方法・商品開発の流れを解説
プロダクトローンチというマーケティング手法を貴方はご存知ですか。
今から約10年前に欧米から伝わり、驚異的な売上を出せることから注目されている方法です。しかし同時に「既に古い手法」であるという声もあがっています。
今回の記事では、プロダクトローンチの特徴やその手法、流れやメリットなどを解説していきます。またなぜ古い手法と囁かれる理由やその真偽についても考察しています。
プロダクトローンチに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
プロダクトローンチとは? その特徴を解説
そもそもプロダクトローンチとは何か。それは販売手法の一つです。しかし従来のそれと比べ大きな売り上げを出せることから、注目を浴びています。ここでは、その特徴について解説します。
ユーザーに情報を与えて購買意欲を高めるプロセスがある
プロダクトローンチの特徴に、ユーザーとなりえる相手に情報を与え、購買意欲を高めるプロセスがあります。
具体的に、ユーザーになる可能性が高い見込み客を集め、彼らに向けてリリース前の新商品の情報を発表します。このとき、一度に全ての情報を伝えるのではなく、時間をかけ、何度か小出しにしていきます。
何度も情報発信をすることで、興味を引く機会を数多く設け、さらに見込み客の購買意欲を高めることにつなげます。また長い時間をかけることで、信頼を得られるというメリットも存在します。
こうして、新商品のリリース前に、見込み客の購買意欲を大きく高めて初動の売上に大きな影響を及ぼせる状態にしておくのです。
商品をリリースしたときに爆発的な売上が期待できる
商品のリリース前に購買意欲を高めた所で、いよいよ新商品の発売となります。このとき、事前の情報を得ていたユーザーは新商品に対して高い期待を抱いているため、こぞって購入することになります。
これが初動で爆発的な売上に繋がるため、プロダクトローンチが注目されるようになった理由です。
また発売後も、購入はしなかったものの事前の情報発信で購買意欲が高まっていたユーザーも多いため、追加情報や新商品のセールスを行うことで関係を繋ぎ止めたり、新たに購入してもらうこともあります。
これらの活動を通して顧客のリストを作成し、それを次回の新商品のセールスとして活用することもプロダクトローンチの重要なステップになります。
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通常の宣伝との違い
では、プロダクトローンチと通常の宣伝とは何が違うのでしょうか。通常の宣伝は、商品のリリース後を見越して宣伝などのセールスを行います。諸経費などのコストもそれに合わせて計上されます。
対して、プロダクトローンチはリリース前に重点的にセールスを行い、購入意欲の高い見込み客を育てるプロセスがあります。このプロセスによって短期間で大きな売上を得ることにつなげるのです。
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プロダクトローンチにおすすめの商品
優れた販売手法に思えるプロダクトローンチ。では、どのような商品にも通用するのかというと、少し違います。ここでは、プロダクトローンチに適したおすすめ商品が、どのようなものかについて解説します。
自分が売りたいと思う商品は、適した商品か否かを照らし合わせて見てみてください。
スペックや品質の証明がしづらい無形商品
プロダクトローンチに適した商品に、スペックが説明しづらい無形商品があります。
例えば、テレビやパソコンなど、過去に発売されたものが無数にあり、画素数やサイズ、性能などで比較や説明が可能です。
対して、新しいサービスや情報商材などは、過去に似たようなものがあったとして、何がどう違うのか品質で説明がしづらくなっています。
しかし、このような無形商品は生活に新しい楽しみや便利さを与えてくれるので、オンリーワンに近い価値を持つことが可能です。
このようなオンリーワンの価値を持つ無形商品は、プロダクトローンチで購買意欲を高めやすく、購入可能な時期まで多少の時間があったとしても代替えとなる品が少ないか、もしくはまったくないため、意欲を高い状態のままリリースを迎えることができます。
コモディティ商品には向いていない
逆に、靴や服(ブランドなどのオンリーワンなもの以外)など代替え品が無数に存在するコモディティ商品に、プロダクトローンチは向いていないとされています。
これらの商品をプロダクトローンチの手法で宣伝しても、独自の魅力がない限り、高まった購買意欲は既存の別の商品に行ってしまうからです。
このように代替え商品が無数にあるコモディティ商品では、プロダクトローンチは合わないとされています。
プロダクトローンチは古い?
Googleでプロダクトローンチを調べると、サジェストに「古い」と出てくることがあります。
プロダクトローンチが日本に入ってきて、既に10年以上が経過しています。もはやこの販売手法は世間にありふれてきて、時代遅れのものとなってしまったのでしょうか。
ここでは、なぜそう言われるのかを調べてみました。
詐欺まがいの高額情報商材に使われていた
プロダクトローンチが日本に伝わったのは2010年頃。有名になったのは2014年で、高額なネットビジネス商材に活用されたことがきっかけだと言われています。
この時期は、1万人のリストを集めて、1ヶ月のプロダクトローンチを行えば、1億円の利益を上げたという話が珍しくありませんでした。
また高額商材は、値段に見合う有用なものもありましたが、中には詐欺に近いものもあり、それに引っ張られるようにプロダクトローンチに悪いイメージが付き、その手法も広く知れ渡ったことで、かつてのような勢いは無くなっていきました。
このような経緯からプロダクトローンチは古いというイメージがついたのだと推測されます。
向いていない商品に使うと効果が薄い
繰り返しになりますが、プロダクトローンチはコモディティ化した商品には効果があまり期待できません。しかしそれを知らずに利用して、成果が出せなかった人も多いのではないかと考えられます。
悪いイメージと合わせて、驚異的な盛り上がりが無くなったこと。さらに自分で試しても効果が出なかった。こうなれば既に古い手法と考えられたのではないかと、考察ができます。
DRMの一つがプロダクトローンチ
マーケティングの手法として定番の一つにダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)があります。これは宣伝に対して問い合わせ(レスポンス)があったユーザーに直接(ダイレクト)商品を販売する手法です。
DRMは現在でも盛んに利用されている手法であり、その一種であるプロダクトローンチが古いかそうでないか、というのはナンセンスな議論であるといっていいでしょう。
プロダクトローンチの流れ
これまでプロダクトローンチの特徴について述べてきましたが、ここからはより具体的に全体の流れについて説明します。
プレローンチ:見込み客を集める
プロダクトローンチで一番最初に行うことが「見込み客の獲得」です。これを「プレローンチ」と言います。
このプレローンチで集めた顧客のリストは後々大きな資産となります。
そのユーザーになる可能性が高い見込み客に対して、宣伝などのアプローチを行うことで、リリース時の爆発的な売り上げにつなげていくのです。
また、プロダクトローンチを行う上で一番費用をかけるのがこのプレローンチです。
理由は、見込み客が多ければ多いほど、リリースした際に商品を購入してくれるユーザーになる可能性があるからです。逆を言えば、見込み客が少なければユーザーの数も期待できないことになります。
リレーションシップ:情報を継続的に発信する
リレーションシップは、獲得した見込み客に対して継続的な情報発信を行い、商品の魅力を伝えていきます。
メルマガやPVなど様々な方法で商品情報を小出しにしていくことで、見込み客の期待感を膨らませ、購買意欲を高めていくのです。
このステップでもう一つ、見込み客との関係を構築することも重要です。一方的な情報発信ではなく、見込み客が気になっている事を質問してもらったり、それに答えることによって両者の関係が作られ、次のステップの成果にも繋がります。
ローンチ:商品をリリースする
見込み客の購入意欲を高めたら、いよいよ商品のリリースです。
プレローンチからの流れで見込み客はその商品に対して高い期待を抱いているので、反応率は自ずと大きなものになります。
また、この時点でも様子を見ている見込み客はたくさんいるので、タイミングを見て何度もセールスをかけたり、限定性を付けて一気に気持ちを盛り上げる方法も有効です。
前段階のリレーションシップで商品の購買意欲が高まった見込み客に、購入の決断を迫るのがローンチで行うことなのです。
ポストローンチ:リリース後にやること
プロダクトローンチは、商品リリースが終了しても続きがあり、ここで上手く行けばまだまだ利益を得ることが可能です。逆に急に情報発信をやめてしまうと、見込み客から印象が悪くなり、信頼関係も揺らいでしまいます。
また様々な都合で今回は購入しなかったとしても、購買意欲を高める過程を経て興味を持ち続けている方がいるかもしれません。
そんな見込み客をユーザーにするために、セールスが落ち着いた後も情報提供を続けて、関係性を繋ぎ止めておくことも大切です。
プロダクトローンチを行うごとに、自分の手元にあるリストを拡大していくことができればセールス時の売り上げををさらに成長させることもできます。
一度で終わりではなく、終了時に得た顧客リストを元に、また新たな商品のセールスに繋げることが出来るのもプロダクトローンチの魅力です。
プロダクトローンチのメリット・デメリット
販売手法として大きな可能性を感じるプロダクトローンチですが、もちろんメリット、デメリットが存在します。それらを大きくまとめてみました。
メリット:短期で爆発的な売り上げを出せる
一番のメリットは、短期で爆発的な売り上げを出せることです。うまく活用すれば文字通り「桁が違う」売り上げも可能です。
プロダクトローンチ最大のメリットと言えるでしょう。
メリット:アプローチを仕組み化できる
プロダクトローンチは、顧客リストに対して実行するモノで、使用した顧客リストや配信設定は資産として残すことができます。
またプロダクトローンチはそれぞれステップが存在するため、一度その流れを作れば、経験が残り、それを次回のプロダクトローンチに活かすことができます。
仕組み化が出来れば、行う人間が変わっても同じレベルの仕事をすることもできますし、問題点の洗い出し、改善などにも役立てられます。
デメリット:失敗すると工数が返ってこない
短期定期に大きな売り上げを出せる、と説明しましたが、それは当然上手く行った場合に限ります。失敗すると、商品リリースまでにかけた工数が無駄になり、費用がそのまま赤字となってしまう危険性もあります。
デメリット:プロモーション中は非常に忙しい
プロモーション期間中は、細かく情報発信を行うため、必然的に働き詰めの日々を過ごすことになります。働く者にとって大きな負担となるため、上手く行った会社でも続けて行うのは難しいという声もあるようです。
プロダクトローンチの実用例
ここではプロダクトローンチが実用されている商品を紹介します。一見すると、縁遠いと思われるプロダクトローンチですが、実は意外と身近なものに用いられているのです。
それらを紹介します。
映画作品
映画はプロダクトローンチの方法がよく使われています。特に昨今はアニメ放映からの映画化も多く、それらの作品は、
・予告の発表
・劇場版登場キャラの声優の発表
・主題歌、歌手の発表
・予約特典のオリジナルグッズ
と公開日までに複数回に分けて情報を発信し、映画館に足を運ぶであろうファン(見込み客)の意欲を時間をかけて高めていきます。
まさにプロダクトローンチを用いている事例と言えます。
新作ゲームの発売
新作ゲームの発売も、プロダクトローンチが活用されている事例と言えます。各メーカーが抱えるビッグタイトルは「E3」などのゲームショウなどで発表されるほか、近年ではYou Tubeでのプロモーションも盛んです。
You Tubeでのプロモーションは、
・ゲームのストーリーやプレイ画面の紹介
・ゲームのシステム
・登場人物のキャスト発表
・開発者インタビュー
などの情報が複数回にわけて配信され、そのゲームに関心のあるユーザーを増やし、購買意欲を高めていきます。こちらもプロダクトローンチの実用例と言えます。
プロダクトローンチの注意点
プロダクトローンチは大きな売り上げが期待できる魅力的な販売手法ですが、準備が不十分であれば失敗する可能性もあります。
リターンが大きい分、リスクも大きいので、プロダクトローンチを始めたい方は、まずは小規模な企画から試してみるのがおすすめです。
そこで反応を見て、改善や規模の拡大など行うのがいいでしょう。
まとめ|プロダクトローンチについて
プロダクトローンチは、大きな売り上げが期待できる反面、成功させるには相応のリスクや準備が必要になります。簡単に実行できるものではありませんが、マーケティングの世界でこれからも活用され続ける手法だと考えられます。
ご自身が取り扱う商品が、この手法に適しているかを見極めてから、ぜひ試してみてください。