コホート分析とは|メリットやGoogleアナリティクスとの連携方法も
webマーケティングで用いられる言葉の一つとして「コホート分析」と呼ばれる言葉があります。コホート分析とは、ユーザーを傾向ごとに分類する分析方法です。この傾向の理解により、マーケティング戦略に応用することができます。
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コホート分析とは?|ユーザーの動きを把握するところからはじまる
「コホート (cohort) 」とは「仲間」を意味する言葉です。この用語は主に心理学において用いられており、これをwebマーケティングに応用したのがコホート分析です。
コホート分析とは、webサイト上のユーザーの行動や定着率などを数値的に分類することにより、ユーザーの動向を正確に把握するというものです。
これを用いることで、webにおけるユーザーの定着率やマーケティング戦略へ、統計的なアプローチが可能となります。
webサイトのコホート分析を行う場合、Googleアナリティクスの利用が挙げられます。
Googleアナリティクスは、誰もが無料で使用できるツールです。例えば、ある特定期間におけるユーザー行動を分類することで、そのwebサイトにおける来訪したユーザーの割合などを容易に見ることができます。
コホート分析が重要な理由とは|リテンションテート
では何故コホート分析が重要なのでしょうか。
前述の通り、コホート分析は様々な指標の分析を行うことができます。中でも重要なのが、リテンションテート (顧客の維持率) です。
基本的に、そのサイトのコンテンツや商品は顧客の維持率によって満足度を評価することができます。リピーターの上昇と共に、SNSなどで評判が上がるため、新規顧客の獲得へとつながります。
よって、顧客の維持率を把握は欠かせないものであり、そのためにコホート分析が必要となるのです。
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コホート分析を行うメリットは?
コホート分析では、上記に挙げた例の他に、次のようなメリットも存在します。
- ニーズやトレンドを知ることができる
- 市場の流れを把握することができる
などです。
ニーズやトレンドを知ることができる
ユーザーの動向を数値化することで、ユーザーが今何を必要としているか、また何が現在トレンドであるか知ることができます。
市場の流れを把握することができる
マーケティング戦略において、市場の流れを無視し拡大することは不可能に近いです。そこでコホート分析を用いることで、ニーズやトレンドの理解から市場動向を調べることができます。
コホート分析を活用する
では具体的にコホート分析を活用方法はどのようなものがあるのでしょうか。
例えば、
- ユーザーの流入が少なくなった時に対策をする
- 新しいユーザーの数を把握できる
- キャンペーンなどの施策を打ち出した時の効果を把握できる
- 今後の市場の流れを把握しビジネスに活かすことができる
- ターゲットの見直しができる
などがあります。
これについて詳しく解説していきます。
ユーザーの流入が少なくなった時に対策をする
ある期間におけるユーザーの動向を分析することができるため、例えばユーザーの維持率が低下し、流入が少なくなった時期などを特定することができます。その時期にどのような施策をしてユーザーが減少したか、またこれらの減少を埋め合わせるために必要な新規ユーザーの割合も知ることができます。
新しいユーザーの数を把握できる
前述と同様の分析によって、新規ユーザーがどれだけ流入したかを把握することができます。
キャンペーンなどの施策を打ち出した時の効果を把握できる
サイトのコンテンツや商品に対して何らかのキャンペーンなどの施策を打ち出す場合があるでしょう。その施策に伴いユーザーがどのような動向をしているのか理解することで、実際に効果があったか否か判断ができます。
今後の市場の流れを把握しビジネスに活かすことができる
ユーザーのニーズやトレンドを数値的に分類することで、現在の市場動向だけでなく、未来の市場戦略を把握することが可能です。それらの市場戦略から、どのようなサービスや商品であれば需要があるかを理解する切り口となります。
ターゲットの見直しができる
ターゲットとするコンテンツがあった場合、果たしてそれがユーザーの関心を引くものなのかどうかを知ることはマーケティング戦略上非常に重要です。よってコホート分析に活用により、ターゲットの見直し調査も可能となります。
コホート分析を実際に行う方法とは?
実際にコホート分析を行うにはどのような方法があるのでしょうか。先ほど述べた、Googleアナリティクスの使用に加え、WEBサービスやアプリを用いた方法も存在します。
WEBサービスやアプリを使用する
最近ではWEBサービスやアプリを用いたコホート分析が活用されています。例えば、米国の幼児向け教育アプリの「codeSpark」では、施策したキャンペーンごとにユーザーをコホート分析により分類することで、その維持率や解約率を数値化していました。
この結果から分かったこととして、試作したキャンペーンごとに維持率や解約率の差が見られたそうです。これらの統計的な推測により、コンテンツに対する適した対策を取ることで、その維持率や解約率の最適化を図ることに成功しています。
Googleアナリティクスを使用する
最も一般的な方法として挙げられるコホート分析は、Googleアナリティクスの使用でしょう。Googleアナリティクスは誰もが容易に活用することができ、無料でコホート分析を行うことができます。webユーザーの訪問数や、属性、広告効果など様々なデータを調査することが可能です。
Googleアナリティクスを使用したコホート分析の方法は?
実際、Googleアナリティクスは多くの事業が導入しており活用方法が非常に充実しているというメリットがありますが、解析初心者にとっては具体的なマニュアルが存在せず機能を理解するのが難しいといったデメリットも存在します。
つまり、初学者上手くが使いこなすためには、ある程度の情報が必要となるため、以下では具体的な使い方を詳しく解説していきます。
WEBサービスやアプリを使用する
まずは導入についてです。
- Googleアカウントの作成
Googleアカウントを持っている場合はそのままログインし、持っていない場合は新しく作成しましょう。他者とレポートを共有する場合はそれぞれの閲覧者のアカウントも必須です。
- Googleアナリティクスの登録
Googleアナリティクスの「無料で利用する」という項目から必要事項を記入してください。
では具体的な使用方法に入っていきます。
Googleアナリティクスの管理画面のサイドバーにある、「ユーザー」から「コホート分析」を選択しましょう。
コホート分析のエリアには、「コホートの種類」、「コホートのサイズ」、「指標」、「期間」の計4つが設定できるようになっています。
(1)コホートの種類
ユーザーを分類する条件として、Googleアナリティクスでは「集客の日付」が選択できます。集客の日付とはユーザーを獲得した初日のことです。
(2)コホートのサイズ
サイズとはコホート分析を行う頻度のことを指します。ここでは「日別」、「週別」、「月別」の3つが選択できます。例えば、「日別」であれば毎日コホート分析を行うことになります。
(3)指標
ここでは次の「ユーザー」、「合計」、「定着率」を選択することができます。これら3つはさらに以下のように細分化されています。
「ユーザー」
・ユーザーあたりのセッション
・ユーザーあたりのセッション時間
・ユーザーあたりのトランザクション
・ユーザーあたりのページビュー
・ユーザーあたりの収益
・ユーザーあたりの目標の完了数
「合計」
・セッション
・セッション時間
・トランザクション数
・ページビュー数
・ユーザー数
・収益
・目標の完了数
「定着率」
・ユーザー維持率
(4)期間
期間とはコホート分析を行う期間のことを指します。(2)のコホートのサイズに合わせて設定するようにしましょう。
次に、Googleアナリティクスにおけるコホート分析の見方についてです。
上記のコホートの種類、コホートのサイズ、指標、期間を設定すると分析結果画面が表示されます。再訪ユーザー数において、濃色で示されている枠は割合が高く、淡色で示されている枠は割合が低くなっているため、視覚的にもわかりやすいでしょう。
ではこれらの分析結果を元にマーケティング戦略においてどのようにコホート分析を活用すれば良いのか解説します。
まず第一に、ユーザーが減少したタイミングを把握しましょう。具体的に何日目からユーザーがそのサイトから離脱したのか特定することにより、何らかの改善が行えるでしょう。顧客の維持率を保つことにより、新規顧客獲得にも繋がります。
第二に、ページの閲覧数の減少タイミングを把握しましょう。この減少を改善することで、複数ページの閲覧により複数コンテンツへの流入を促すことが可能です。
第三に、閲覧時間の減少タイミングを把握しましょう。このタイミングの把握により何故ユーザーの維持率が低下したのかが特定しやすくなります。
まとめ
以上、コホート分析について、そのメリットやGoogleアナリティクスとの連携方法について解説していきました。
コホート分析はweb上におけるユーザーの行動を分類することにより、ユーザー動向を把握することが可能です。
そしてこの分析結果を元に、市場動向、ユーザーの流れを予測することができます。維持率、解約率などの改善にも有益な方法でありマーケティング戦略へと繋がります。現在ではGoogleアナリティクスといった誰もが使える容易なツールがあるため、是非コホート分析を利用してみてはいかがでしょうか。