オウンドメディアでペルソナ設計を行う流れを4ステップに分けて解説!
オウンドメディアで成果を出すには、ただ記事を作成していればいいという訳ではありません。もちろん良質な記事を作成することは大前提ですが、記事を作成する前に、「マーケティング観点での戦略」が重要になります。
戦略の中でも、「ペルソナ」の設計は特に重要で、オウンドメディアで成果を出す際の根幹です。
ペルソナを設計できていなければ、流入数を増加させることはできたとしても、CV数を増加させることができず、売上の向上に繋がらないでしょう。
本記事では、オウンドメディア運用の根幹となる「ペルソナ設計」を一から紹介していきます。
オウンドメディアはペルソナの粒度で成果が大きく変わる
オウンドメディアは、リードの獲得や商品の購入数が、流入数の増加と必ずしも比例するとは限りません。
SEO対策やSNS運用などの戦術部分に力を入れ、流入数を増加させることはできていますが、比例してCV数を増やすことができていないオウンドメディアは非常に多いでしょう。
流入数と比例してCV数を増やすことができない大きな要因としては、「ペルソナの設計が甘い」ことが挙げられます。大まかなターゲットを設定しているメディアは多いですが、細かなペルソナ設計をできているオウンドメディアは多くありません。
オウンドメディアにおいてペルソナ設計をするメリット
オウンドメディアでペルソナ設計をするメリットは3つあります。
- 無駄なキーワードを狙う必要がなくなりリソースの無駄遣いを防げる
- 売上に繋がるユーザーのみを集客することができる
- メディアで何を提供するべきなのかが明確になる
1つ1つ詳しく解説していきます。
売上に繋がるユーザーのみを集客することができCVRを向上させられる
ペルソナを設計することで、流入させるユーザーを「売上に繋がるユーザー」に絞ることができます。
ペルソナの設計方法は後述しますが、ペルソナは売上に繋がるユーザーまで絞り設計をします。
売上に繋がるユーザーに絞るので、重要な見込み客が流入するSEOキーワードや、チャネルに施策を絞ることができます。そのため、重要な見込み客に絞って流入を増やすことができ、流入数と比例して、CV数を増やすことができます。
逆にペルソナを設計しておらず、大きなターゲットだけを設計している場合、売上に繋がりにくいユーザーも多く流入してしまうため、PV数だけが増えCVRが低いメディアとなってしまいます。
CVRの高いメディアに目指すためには、ペルソナを設計しておくことが重要になります。
無駄なキーワードを狙う必要がなくなりリソースの無駄遣いを防げる
ペルソナを設計することで、売上に繋がる重要な見込み客に絞ることができます。
そのため、狙うべきキーワードを重要な見込み客が流入するキーワードのみを選定することとなります。
集客するべきキーワードを絞ることができれば、売上に繋がらない不要なキーワードを狙うことがなくなり、リソースの無駄遣いを防ぐことができるでしょう。
メディアで何を提供するべきなのかが明確になる
ペルソナを設計することで、メディアで何を提供するべきなのかが明確になります。
オウンドメディアでは、自社が発信したい情報のみを提供してしまっては、ユーザーが価値を感じにくくなってしまいます。そのため、ユーザー起点でどのような情報を発信するべきかを決める必要があるでしょう。
ユーザーに視点を持つためには、適切なペルソナを設計しておく必要があり、ペルソナを設計しておくことで、「誰が」「どのような悩みを持っているのか」が明確になるので、自然と何を提供するべきかを決定することができます。
オウンドメディアでペルソナ設計を行う流れ
実際にペルソナを設計する際には、下記の3ステップで作成をしていきましょう。
- 情報を収集してターゲットを定める
- 売上に繋がるターゲット層を選定する
- ペルソナを作成する
ステップ1:情報を収集してターゲットを定める
まずはペルソナを設計するために、ユーザーの情報を集めていきましょう。ペルソナは想像や妄想ではなく、データの集約になります。そのため、粒度の高いペルソナを設計するにはユーザーの情報を集めることが重要です。
ユーザーの情報を集める方法は、下記の4つとなります。
- CRMやSFAを活用して情報を収集する
- BtoBの場合営業にインタビューをして情報を収集する
- 調査会社に依頼をして情報を収集する
- 既存顧客にインタビューをする
CRMやSFAなどのツールを活用して情報を収集する
ユーザーの情報を集める方法の1つ目は「CRMやSFAを活用して情報を収集する」方法です。
CRMやSFAを活用すれば、現状の顧客を分析することができます。分析する際には、下記のような項目を確認すると良いでしょう。
- 企業規模
- 業種
- 部署
etc…
上記のような項目で、解約率や受注率、LTVに差分があるのかを確認し、LTVが高い顧客を抽出していきましょう。
営業にインタビューをして情報を収集する
ユーザーの情報を集める方法の2つ目は「営業にインタビューをして情報収集をする」方法です。
クライアントと直接商談をしている営業部署は、クライアントの悩みやニーズなどの定性的な情報を持っています。そのため、CRMやSFAで収集することができる定量的な情報では見えない部分を補填することができます。
確認する際には、下記のような項目を確認すると良いでしょう。
- サービス導入を検討したきっかけ
- 商談時によく聞く悩み
- クライアントがなぜ契約をしてくれたのか
- サービス導入する際に壁となるポイント
etc…
また、可能であれば営業とともに商談に同席することもおすすめです。
アンケート調査で情報を収集する
ユーザーの情報を集める方法の3つ目は「アンケート調査して情報を収集する」方法です。
特にBtoC企業の場合は、BtoB企業と比較して直接顧客と接点を持ちにくく、顧客の定性的な情報を集めにくいでしょう。そのため、既存顧客にアンケートを取得することで、定性的な情報を収集することができます。
また、新規サービスなどで自社内に情報がない場合には、調査会社に依頼をしてアンケートを取得して情報を収集していきましょう。
調査会社では、ターゲット層を絞ってアンケート調査をすることができるので、自社のみで収集するよりも正確な情報を集めることがでます。
既存顧客にインタビューをする
ユーザーの情報を集める方法の4つ目は「既存顧客にインタビューをする」方法です。
営業にインタビューをすることで、顧客の定性的な情報を収集することはできますが、実際にペルソナにインタビューをすることで、より感情的で定性的な部分を明確にしていくことができます。
また、既存顧客だけでは明確にならない定性的な情報や、新規のサービスの場合には、ビザスクなどのプラットフォームを活用した見込み客にインタビューをすることもおすすめです。
ステップ2:売上に繋がるターゲット層を選定する
ステップ1で収集した情報を元に、グルーピングしていきましょう。グルーピングをする際には、BtoB企業の場合は「企業規模」や「役職」、「業種」などで、BtoC企業の場合は「性別」「家族構成」「年収」などで分けていくと良いでしょう。
- 企業規模
- 役職
- 業種
- 体制
etc…
- 性別
- 年齢
- 家族構成
- 年収
etc…
グルーピングをしたら、どのターゲット層が売上に繋がるのかを明確にして、優先的に狙うべきターゲットはどのような層なのかを決めていきましょう。
ステップ3:ペルソナを作成する
グルーピングをして優先度付けをしたら、ペルソナを作成していきましょう。
▼ペルソナの例
項目 | ペルソナ1 | ペルソナ2 | ペルソナ3 |
---|---|---|---|
企業規模 | 100〜150名 | 50名以下 | 300名 |
役職 | 担当者 | 社長、役員 | 担当者 |
体制 | 1人でオウンドメディアの運営を内製で管理している。 | Webマーケティングを実施しておらず、社内にもマーケティング部はない。 | 代理店に依頼をしてオウンドメディアの運用をしている。 |
LTV | 〇〇円 | 〇〇円 | 〇〇円 |
優先度 | 中 | 低 | 高 |
悩み | 情報収集をしながらSEO対策を行っているが、自分で行っているSEO対策が正しいのかがわからない。 | これからWebマーケティングを実施していきたいが、何から手をつけていいかわからない。 | 現在依頼している代理店では提案力も低く、成果が出ないので、成果の出せる代理店にするべきか検討。 |
情報収集チャネル | Twitter、検索 | Twitter、検索、知り合いからの紹介 | Twitter、検索 |
ペルソナを作成する際には、上記のようにターゲットごとにペルソナを作成し、複数のペルソナを作成していきましょう。
また、ペルソナを作成する際には最初から完璧を求める必要はありません。運用をしながら調整をしていきましょう。
オウンドメディアのペルソナ設計におけるよくある失敗
オウンドメディアでペルソナを設計する際に、下記のような失敗をしてしまうことは少なくありません。
- 妄想でペルソナを設計してしまう
- ペルソナの深掘る方向性が違う
上記の失敗をしてしまうと、ペルソナを設計する意味がなくなってしまうので、注意していきましょう。
妄想でペルソナを設計してしまう
オウンドメディアのペルソナ設計におけるよくある失敗として、「妄想でペルソナを設計してしまう」ことが挙げられます。
先ほども紹介したように、ペルソナは想像や妄想ではなく、データの集約になります。そのため、妄想でペルソナを設計してしまうと、ペルソナを設計する意味がなくなってしまうでしょう。
ペルソナを妄想で作成してしまうと、いい戦略や戦術を立案したとしても、アプローチするべきユーザーがズレてしまうので、例えPVが増えたとしてもCVしないメディアとなってしまう可能性が高くなります。
そのため、ペルソナを設計する際には、実在する人物像をイメージすることが重要になります。
ペルソナの深掘る方向性が違う
オウンドメディアのペルソナ設計におけるよくある失敗として、「ペルソナの深掘る方向性が違う」ことが挙げられます。
ペルソナの目的は、ただ1人の人物に絞ること自体が目的ではなく、売上に繋がるユーザーを理解することが目的となります。そのため、不要な情報を深掘りしても意味はありません。
BtoB企業の場合の例を見ていきましょう。
BtoBで深堀るべき項目 | BtoBで深堀りしても意味がない項目 |
---|---|
業種 企業規模 役職 部署や事業部の課題 LTV | 年齢 今までのキャリア 居住地 結婚や子供の有無 趣味や休日の過ごし方 |
上記のように、適切な項目を深掘りすることができなければ、売上に繋がるユーザーを理解することは難しいでしょう。
そのため、ペルソナの深掘る際には、その情報が売上に直結するコアなものなのかという視点を持つことが必要になります。