pdcaは古い!?pdcaに代わるものを解説します
おそらくビジネスマンであれば一度でも聞いたことがあるであろう「pdca」というキーワード。会議やマネジメントの現場で多く使用されてきた言葉ですが、最近は別のものに移り変わって来ているようです。
今回の記事ではPDCAサイクルがどのようなものなのか、PDCAが「古い」と言われている理由、そしてPDCAに代わって登場しつつある「OODA」についても紹介していきます。
pdcaサイクルはどのようなもの?
PDCAサイクルとは「plan」「do」「check」「Action」の4つから成り立つ言葉です。
しかし、PDCAというキーワードは知っていても、PDCAサイクルの具体的な内容までは知らないという人もいるのではないでしょうか。
ここではPDCAの意味について紹介していきます。知っている人も知らない人もここでPDCAについて再度理解しておきましょう。
関連記事:【現場視点】インハウスSEOとは?自社内製化を成功させるコツや手順・ポイントも
plan(計画する)
plan(実行する)は目標を設定し、それを達成するための計画を練ることを意味しています。
目標を達成するために情報や戦略を計画し、解決するための道筋を立てていきます。
例としては「売上前年度の◯%達成」「契約数◯人が目標」といった具体的な数字を掲げることがポイントです。
また、「6W2H」の「誰が、いつ、どこで、だれに、なにを、なぜ、どのように、いくらで」の8項目を意識することが大切といえるでしょう。
do(実行する)
do(実行する)は、planにおいて設定した目標や計画を参考に実際に仕事に取り組んでいくフェーズとなります。
ここでのポイントは計画したものをそのまま取り組むのではなく立てた目標が実際に実現できるのか、反対に難しいのであればより良い目標が立てられるかなどを仕事の中で分析して、より良い方向に進めることが大切です。
これらを実行させるためには、「進捗や途中経過などをこまめに記入する」「上手く進んでいない場合も記録しておく」「どうしても計画がスムーズに進まない場合は、無理に実現させようとしない」といったことを意識してみてください。
check(検証する)
PDCAのcheck(検証する)は、前のdo(実行する)で取り組んだ内容において、定めた計画や目標通りにクリアができているか、実行できているかを検証するフェーズとなります。もし、doの部分でうまくいかないことがあった場合、なぜうまくいかなかったのか分析して、原因を洗い出します。
反対に、仕事がうまく進んでいるのであればなぜうまくいったのか、その原因を分析しましょう。どちらにせよ、このフェーズでは、plan(計画)で設定した数値的な目標などを比較しながら検証すると、客観的な分析結果を得ることができます。
Action(改善する)
Action(改善する)では、check(検証する)で出した分析結果において、改善点を洗い出すフェーズとなります。ここでは、「このままの計画や目標のまま実行する」「洗い出した改善点を元に、うまく取り入れながら実行する」「計画や目標を中止や延期にする」の3つの選択肢を持つことが大切です。
上記に記した選択肢を元に今後の方向性を決定していきます。PDCAサイクルは一度最後のフェーズにたどり着いても完全に終わるわけではありません。
最後のAction(改善する)で知ることのできた改善すべき部分を参考に、今以上のPDCAを作り上げより室の高い業務に繋げていくことが大切なのです。
PDCAのメリット
PDCAのメリットには「目標や行動がはっきりとする」「現状の課題を浮き彫りにできる」などの大きな効果が期待できます。
しかし、言葉で説明しても具体的でないと分からないという人もいるかもしれません。ここでは先ほど述べたPDCAのメリットについて一つひとつ解説していきます。
目標や行動がはっきりとする
仕事における目標を達成していくためには、社員各々が自発的、積極的に動いていくことが大切です。PDCAを実行することで、目標においてどのように達成、行動していけばいいのをはっきりさせることができるでしょう。
会社や社員一人ひとりの目標や行動がはっきりとし、目標に対する道筋を具体的に描くことができれば、ゴールとの誤差を少しづつ軌道修正させながら、設定した目標を達成することに繋がります。
現状の課題を浮き彫りにできる
現状で起こっている課題などを浮き彫りにできることも、PDCAの大きなメリットといえるでしょう。PDCAはplan(計画する)で最初に具体的な目標を決定した上で、その目標を達成するための業務内容や計画などを練っていきます。
PDCAサイクルを回していくことで、現状の課題がどのようなものなのか、課題を解決するにはどのようにしていけばいいのか、うまくいっている場合はなぜうまくいっているのかを浮き彫りにすることが可能です。
PDCAがなぜ古いと言われているのか?
ここまでは、PDCAサイクルがどのようなものなのか、またPDCAサイクルのメリットなどについて解説してきました。
しかし、現在では「PDCAサイクルはもう古い」と言われることが多くなってきました。それはなぜでしょうか?
大まかな理由としてはPDCAは計画の時点で膨大な時間が必要になり、スピード感を持って業務を遂行することが難しいことが挙げられます。
現代のITの分野は非常に大きく飛躍しており、市場において求められているものもすぐに移り変わってしまいます。競合他社とこれからも戦っていくにはスピード感を持って仕事をすることが非常に重要視されています。
また、PDCAサイクルが古いといわれている理由をより具体的にすると「改善にいたるまでに長い期間が必要」「課題の改善が中心で新たな目標や行動が生まれにくい」「そもそもPDCAを回すこと自体が大変」といった事が挙げられます。
ここではPDCAがなぜ古いと言われているのか、先程述べた理由について解説していきます。
改善にいたるまで長い期間が必要
PDCAサイクルは実行していく中で、最終的な「改善」という部分にいたるまでに長い期間を擁することになります。
理由としてはPDCAはそれぞれのフェーズに対して細かく、具体的な計画や行動を設定していくことに加え、分析や課題解決にも時間を割いた上でこれらをひたすら繰り返していくという内容であるからです。しかし、現代のビジネスにおいては現状の仕事を今以上にアップデートさせて長くプロジェクトなどに取り組んでいくということが多くなってきました。
このことから、PDCAサイクルは現代のビジネスの型というものに合致しづらいということが挙げられるでしょう。
課題の改善が中心で新たな目標や行動が生まれにくい
PDCAを実行することで、課題の改善がメインとなってしまい、新しい目標や行動が生まれにくいということが挙げられます。理由としてはPDCAサイクルというものが現状の仕事内容に対する分析や改善を常に回していくような内容だからです。
自分の会社での課題のみであれば今のサイクルの改善のみでうまくいくこともあるでしょう。しかし、競合他社に競り勝っていくには新しく他に例を見ないようなビジネスモデルが重要となります。
しかし、PDCAサイクルを回しているだけだと、新たな切り口からの商品やサービスなどのアイデアが生まれてくる可能性は低いといえるでしょう。
そもそもPDCAを回すこと自体が大変
そもそもPDCA自体を回すことが非常に大変であるということも挙げられます。一つひとつのフェーズを全て解決させるのに膨大な時間が必要になることに加え、新たなフェーズに移行させるには前の内容をしっかりとクリアしている必要があります。
このことから、スピード感を持って仕事をする必要のあるプロジェクトなどによってはPDCAサイクルを取り入れていることが足かせになってしまうことも考えられるのです。
仕事ではコストに対して得られる効果を理解しておかないと、PDCAサイクルのデメリットばかりが目立ってしまうことにもなりかねません。
PDCAに代わる新たな手法!OODAとは?
OODAとは、アメリカ空軍の兵士だったジョン・ボイド大佐が新たに提唱した、方針や行動を決定するための理論で以下のような手順で行われることが多いです。
- 現在実行している品質管理や業務活動を分析し、データとしてまとめる
- 分析したデータを元に現状を把握し、今後の方針を決める
- 今後どのような行動や業務を行うのか決めていく
- 実際の業務に落とし込む
OODAはPDCA以上にスピード感を持って課題や行動を理解することができる上に、次の改善策に関してもすぐに行動に移すことができます。
OODAとはどのようなもの?
OODAループとは「O(観察する)」「O(状況の判断と今後の方向性)」「D(意思決定する)」「A(行動する)」の4つから成り立つ言葉です。
しかし、OODAという言葉はどこかで聞いたことがあっても、OODAの具体的な内容までは知らないという人もいるのではないでしょうか。
ここではOODAの意味について紹介していきます。知っている人も知らない人もここでOODAループについて再度理解しておきましょう。
Observe(観察する)
Observe(観察する)は、決まりきった考えに固執することなく、自分の仕事以外の情報に対して情報収集を行ったりするフェーズを意味します。言葉自体も観察や監視するという意味を持っています。
現在展開されている商品の情報や市場、他社の動向などの幅広い情報を観察し、理解した上で可能な限り正確なデータを確認することが重要です。
OODAはまず初めにデータの収集や観察から始まるといっても過言ではありません。
Orient(状況の判断と今後の方向性)
Orient(状況の判断と今後の方向性)とは、前回のフェーズで集めたデータを使用して今後の目標や方向性などを定めていきます。
ここでは仮定を立てた上で多面的に分析をし、現状がどのようなものなのかを加味した上で戦略を定めていきます。
前述したようにここでは一つの仮定を立てた上で目標や方向性を決めていきます。このことから具体的な内容までは決めずにスピード感を持って作業していくとこの過程はスピーディーに終わらせることができます。
Decide(意思決定する)
Dcide(意思決定する)ではOrientで定めた方向性などを参考に、より具体的な方法を模索していきます。行動を具体的に決めていくには「自分や会社を今後の目標や方向性を理解する」「目標や方向性をもとに選択肢を洗い出す」「前述した2つを比較して一番有効であると思われるものを具体的に落とし込んでいく」ことを意識すると良いでしょう。
この段階をもって、OODAの最後のフェーズであるAction(行動する)にスムーズに移行させましょう。
Act(行動する)
最後はいよいよこれまでに決めてきた目標や方向性に従って、実際に行動することに移っていきます。
とはいっても今まで決めたことを確実に守り切るのではなく、実際に業務にあたっていてズレなどを感じることがあれば、その都度確認をしながら、それでも分からなくなった場合はObserve(観察する)に立ち戻り、OODAループを再び回してみましょう。
現在の状況が芳しくないとしても次の成果に繋げることが一番重要です。
OODAとPDCAにはどのような違いがある?
PDCAとOODAの違いについてですが、PDCAは初期段階で目標や方向性を定めた上で実際の業務に移行していく手法となります。
反対にOODAは現在の課題を把握することから始まります。このことからOODAは最初に行う工数が少ないことでPDCAと比較しても実行に移行するまでに素早く行動することが可能となっています。
なぜOODAが必要なのか
OODAが必要な理由としては「社会における激しい変化への対応」と「SNSやAIの発展」が挙げられます。
ビジネスにおいて、社会のニーズや流行に臨機応変に対応していくことは現代で仕事を行う上での課題の一つといえるでしょう。
このことからPDCAでは素早い対応を行うことが難しくなってきており、OODAを取り入れたほうが今後のビジネスの目まぐるしい変化に対応しやすいということが考えられるのです。
まとめ
今回はPDCAサイクルの特徴やメリット、そしてOODAループの特徴についても解説してきました。
現代のビジネスの移り変わりはますます激しくなってきており、これまでのゆっくりとしたペースでは競合他社に追いつけなくなる可能性が考えられます。
そのためにも一つひとつに時間をかけるPDCAサイクルではなく、現状の課題を把握するところからはじまるOODAループに移行していったほうが会社の商品やサービスに対して今以上の成果が期待できることでしょう。