CVを数倍に向上させるオウンドメディアの戦略を設計する8ステップを解説!
- オウンドメディアを運用しているがCVが発生しない、、
- オウンドメディアのPVは増えてきたがその後なにをすればいいのかわからない、、
オウンドメディアのコンサルティングを行っている弊社では、上記のような声をクライアント様からお聞きするケースは少なくありません。
多くのオウンドメディアは、CV(リード獲得、購入)を獲得するために始めているのにも関わらず、なぜCVが増えていかないのでしょうか。成果の出ないオウンドメディアの大きな特徴として「CVをさせるための戦略設計がなされていない」ことが挙げられます。
「とりあえずコンテンツマーケティングを始めてみよう」「SEOに取り組んで集客力をあげればリードが取れる」と安易な考えで運用を始めてしまっているオウンドメディアは少なくありません。
そのため、下記のようなことが明確に決まっておらず、マーケティング的な戦略がごっそり抜けてしまっているのです。
- どのようなユーザーに向けた記事なのか
- ペルソナはどのような情報を求めているのか
- 競合とどのポイントで差別化し、どのポイントで勝っていくのか
- どのポイントでCVさせるのか
上記のようなマーケティング的な戦略がなければ、SEO対策によりPVが増えてもCVが比例して増加していかないので、結果的にオウンドメディアにかける無駄な時間と費用は無駄になってしまいます。
私の経験上でも、戦略のあるオウンドメディアと戦略のないオウンドメディアでは、最終的に得られる成果が大きく変わってきます。
本記事では、オウンドメディアのコンサルティングをしている弊社の目線から、「CVを発生させるオウンドメディアにするために立案するべき戦略」について解説をしていきます。
現在オウンドメディアで成果が出ていない方は、ぜひ本記事の内容を参考にして、一からオウンドメディアの戦略を再構築してみてください。
1.戦略のないオウンドメディアはPVが増加してもCVが増えない
冒頭でもお伝えした通り、「戦略のないオウンドメディアはPVと比例してCV数を増加させること」はできません。
数万PVあるのにも関わらず、CV(リード数)がほとんど取れていないというメディアも中には存在します。
ただ、いきなり「戦略がないとCVが出ない」と言われても「なぜ?」と思う人も少なくないでしょう。本章では、「オウンドメディアの戦略とCV数にどのような関係性があるのか」を解説していきます。
- 誰に向けた情報なのかの解像度が低くボヤけた記事になってしまう
- CVとは遠いキーワードばかりで流入が増えてしまう
- 訴求がズレてしまい誰にも刺さらない
1-1.誰に向けた情報なのかの解像度が低くボヤけた記事になってしまう
オウンドメディアの戦略を策定していく際に、ターゲットやペルソナを設計していく必要があります。
解像度の高いペルソナが決まっていれば、ペルソナの悩みやニーズにダイレクトであり尖った記事を作成していくことができます。そのため、ユーザーとしては「自分のために提供された情報だ」と認識しCVをします。
ただ、戦略がなくターゲットやペルソナを設計していなかったり、解像度が低かったりすると誰に向けたコンテンツなのかがボヤけてしまいます。
そのため、幅広い人に向けた記事となってしまい自社のクライアントになるはずだったユーザーもCVをせず離脱をしてしまいます。
1-2.CVとは遠いキーワードばかりで流入が増えてしまう
検索キーワードにより、ユーザーの悩みやシチュエーションが大きく変わるので、CVしやすいキーワードとCVしにくいキーワードというものが存在します。
そのため、CV数を増やすにはどのようなキーワードでどのような悩みを持ったユーザーが流入するのかの解像度を上げる必要があります。戦略がないオウンドメディアでは、ペルソナやニーズの解像度が低く、CVの確度が高いキーワードを見極めることができません。
CVの確度が高いキーワードを見極められないので、検索ボリュームに囚われたキーワード選定をしてしまい結果的にCVから遠いキーワードばかりを狙ってしまうことになってしまいます。
1-3.訴求がズレてしまい誰にも刺さらない
流入ユーザー全てにCVさせることは不可能なので、自社にマッチしたペルソナだけをCVさせる必要があります。
そのため、ペルソナとペルソナのニーズや課題を深堀りし、ペルソナが求めるものをCVポイントとして訴求していく必要があります。ただ、戦略が決まっていなければ、ペルソナやニーズの解像度が低く、ユーザーに対して何をCVポイントとして訴求するべきかが不明確になってしまいます。
訴求ポイントが不明確になってしまうと、誰にもささらない訴求となり、CVしないメディアとなってしまいます。
2.オウンドメディアで成果を出す戦略を設計する際に重要なこと
オウンドメディアの戦略を設計する方法の具体を紹介する前に、成果をだすオウンドメディアはどのような戦略を立て、どのようなポイントに注力をしているのかを紹介していきます。
- “誰に””どのような情報”を提供するべきかに関しての解像度
- ユーザーが自社の商品を買うまでのジャーニーに関しての解像度
- 競合と比較してどこで勝つべきのかに関する解像度
2-1.”誰に””どのような情報”を提供するべきかに関しての解像度
オウンドメディアで戦略を設計する際には、まず「誰に向けたメディアなのか」といったペルソナの解像度を高める必要があります。また、ペルソナの悩みや課題はどのようなもので、何を求めているのかに関しても高い解像度で必要になります。
ペルソナの解像度が高く、ニーズや課題が浮き彫りになれば、ユーザーが「これが欲しかった」というものを提供できるようになり、結果として良いユーザー行動を生み、CVへと繋がっていきます。
逆に、ペルソナの解像度が低ければ、自社の商材とマッチしないユーザーが増え、どのユーザーにも刺さらない成果のでないメディアとなってしまいます。
そのため、オウンドメディアの戦略では深く顧客を理解し、高い解像度でペルソナを設計していくことが非常に重要で、オウンドメディアを成功させる大きな鍵となります。
2-2.ユーザーが自社の商品を買うまでのジャーニーに関しての解像度
解像度の高いペルソナと合わせて、メディアで接点を持ったユーザーがどのような態度変容を起こして自社の商品を購入してくれるのかといったジャーニーを設計していく必要があります。
解像度の高いジャーニーを作成することができれば、ペルソナがジャーニーのどこにいるのかで、その時に悩みやニーズが浮き彫りになります。
ペルソナの悩みやニーズが浮き彫りになりなれば、どのタイミングでどのコンテンツで接点を持つべきなのかが明確になり、途中で離脱させることなくCVをさせることができます。
2-3.競合と比較してどこで勝つべきのかに関する解像度
近年は、オウンドメディアで情報発信をする企業が増えております。そのため、競合サイトと差別化をはかり、自社にしかない価値を出していかなくてはいけません。
競合にはなく、自社だからこそ提供できる価値を定義することができれば、「競合と戦わずに勝つことができる」ので、一見レッドオーシャンだと思う業界でも、ブルーオーシャンで戦うことができます。
ブルーオーシャンであるほど、いち早く成果を出すことができるでしょう。
3.【再現性高】成果の出るオウンドメディアの戦略を設計する7ステップ
オウンドメディアの戦略を設計するには、特別なことを行う必要はありません。下記で紹介する7ステップで戦略を設計することで、再現性高く成果の出る戦略を設計することができます。
- オウンドメディアの目的や目標を明確にする
- 顧客に関する理解を深める
- 自社のUSPを特定する
- バリュープロポジションを明確にする
- ユーザーの購買するジャーニーを策定する
- ペルソナを意識してキーワード選定を行う
- どのページにリンクを集中させるべきかを検討する
3-1.【ステップ1】オウンドメディアの目的や目標を明確にする
オウンドメディアの目的な目標を明確にしていきましょう。ゴールを明確にすることで、有効な施策を決めることができますし、メンバーが共通認識を持ってオウンドメディアの運用を行うことができます。
- 目的は企業のミッションと絡める
- 定量目標と定性目標どちらも検討し測定可能なものにする
- 目標に対してどのような課題があるのか明確にする
3-3-1.目的は企業のミッションと絡める
オウンドメディアの目的を決める際には、企業や事業のミッションと関係性を持たせていきましょう。
企業や事業のミッションと関連性を持たせることで、オウンドメディアの成長を企業や事業の成長に繋げることができます。
まずはオウンドメディアを通じて、最終ゴールとして何を成し遂げるのかといった大きな目的を描いていきましょう。
3-3-2.定量目標と定性目標どちらも検討し測定可能なものにする
オウンドメディアの大きな目的が描けたら、目標を設定していきます。目標としては、定量のものだけではなく、定性の目標も設定しておくと良いでしょう。
目標を設定する際には、下記のようなポイントを意識すると良い目標設定となります。
- 具体的である
- 測定が可能である
- 達成が可能である
- 期限が決まっている
特に、定性目標は測定不可能なものにしてしまうと主観でしか判断できなくなってしまうので、注意しましょう。
3-3-3.目標に対してどのような課題があるのか明確にする
目標を設定したら、現状と目標にあるギャップを洗い出していき、ギャップを解決するために取り組むべき課題を明確にしていきましょう。
また大きな課題を明確にしたら、課題を分解して、より具体性を高めていきます。
課題を分解し具体性を高めることができれば、具体的に何をやるべきなのかが明確になり、目標に対して無駄のないクリティカルな施策だけを回していくことができます。
3-2.【ステップ2】顧客に関する理解を深める
オウンドメディアの戦略を設計する根幹となるのが、「顧客の理解」です。何を発信するのかも重要ですが、「誰に」発信するのかがブレてしまうと、どれだけ良い情報を発信したとしても、目的や目標を達成することができません。
そのため、「誰に」情報を発信するのかという「ペルソナ設計」をしていきましょう。
- 解像度の高いペルソナを策定する
- ペルソナが商品を購買する重要な要因を特定する
3-2-1.解像度の高いペルソナを策定する
オウンドメディアの読者となるペルソナを3〜4パターンほど設定していきます。
ペルソナは、ただの妄想ではなくデータの集約です。妄想になると実在しない人となってしまう可能性があり、ペルソナの意味がなくなってしまいます。
そのため、ペルソナを設定する際には、現状のクライアントを想像して作成すると良いでしょう。
例えば、BtoB企業の場合、既存のクライアントへインタビューをするといった方法でペルソナを作っていくことができます。
また、競合サービスを活用している方への見込み客インタビューなどを実施することで、新たな視点を見出すこともできます。
3-2-2.ペルソナが商品を購買する重要な要因を特定する
ペルソナを設定したら、課題やニーズを深掘りし、ペルソナが商品を買ったり、サービスを導入する際に重要視しているもの(KBF)を特定していきましょう。
KBFを特定することで、自社のメディアでは何をユーザーに訴求していくべきなのかが明確になります。
オウンドメディアでは、KBFと自社の商品や訴求がマッチしているかが重要になります。
3-3.【ステップ3】自社のUSPを特定する
KBFを特定したら、競合にはなく自社独自の強み(USP)を特定していきます。
また、USPとしては下記のようなものが挙げられます。
- 料金
- 実績
- サービスの範囲
- 対象の属性
- エリア
etc…
USPを作る際には、オウンドメディアにおけるUSPとサービスにおけるUSPどちらも特定しておくことがおすすめになります。
USPを特定しておくことで、メディアのファンを増やすことができますし、何をユーザーに訴求していくのかといった解像度が上がります。
3-4.【ステップ4】バリュープロポジションを明確にする
顧客のKBFやニーズと自社のUSPが重なる部分(バリュープロポジション)を見出していきましょう。
バリュープロポジションが明確であれば、勝ち筋が明確になりますし、競合と戦わずして勝つことができます。
また、バリュープロポジションが決まれば、メディアやサービスサイトで訴求するべき内容が明確になります。
3-5.【ステップ5】ユーザーの購買するジャーニーを策定する
ペルソナとバリュープロポジションが決まったら、ユーザーはオウンドメディアとどのように接点を持ち、どのような流れで商品購入やお問い合わせをするのかといったジャーニーを決めていきましょう。
ジャーニーを設計する際によく活用されるのがカスタマージャーニーになります。
ただ、カスタマージャーニーは、購入を目的としているので、企業目線が強く、ユーザーの態度変容を組み込みにくいため、本来のユーザー行動と外れてしまう可能性があります。
そこで、おすすめなのがオーディエンスジャーニーとなります。
オーディエンスジャーニーは、購入やお問い合わせではなく、「見込み客が成功するまでのジャーニー」となり、ユーザーの心理や体験に視点を置いて設計していきます。
そのため、企業目線が入りにくく、ユーザーが成功するためにどのようなコンテンツを提供するべきなのかといった視点でジャーニーを作成することができます。
オーディエンスジャーニーの中身については、バズ部が非常にわかりやすく解説をしているので、下記を参考にしてみてください。
バズ部|カスタマージャーニーに違和感を感じる人必見!Carlijn Postmaが提唱するオーディエンスジャーニーとは?
3-6.【ステップ6】ペルソナを意識してキーワード選定を行う
ジャーニーまで作成できたら具体的にどのようなコンテンツを配置するべきかが決まります。
配置するコンテンツが決まったら、SEOで流入させるキーワードを選定していきましょう。
SEOのキーワードを選定するポイントとしては下記の2つが挙げられます。
- 検索ボリュームではなくCV起点でキーワードを選定する
- 顧客の”不”からイメージする
3-6-1.検索ボリュームではなくCV起点にしてキーワードを選定する
キーワードを選定する際に、検索ボリュームだけではなく、成果(CV)起点で選んでいきましょう。CV起点でキーワードを選ばなければ、PV数と比例してCV数を増加させることができない可能性があります。
ビッグキーワードと言われる検索ボリュームの大きいキーワードは、検索上位表示をすれば多くのユーザーが流入する可能性が高いですが、ユーザーの悩みが顕在化していないことが多くCVしにくい可能性があります。
また、検索上位表示する難易度も高く、時間も工数も多くかかってしまうでしょう。
したがって、検索ボリュームだけでキーワードを選んでしまうと、PVだけが増加しPVが増えない可能性が高くなってしまうので、CV起点でキーワードを選んでいくことが重要になります。
3-6-2.顧客の”不”からイメージする
CVするキーワードを選定する際には、ツールだけではなく実際の声やユーザーのニーズを考えてキーワードを選定することがおすすめになります。
実際の声やユーザーのニーズからキーワードを選定する場合には、顧客の”不”をキーワードとして選定すると良いでしょう。
顧客の”不”を解消するためのキーワードは、ユーザーにとっても今すぐ解決したいキーワードとなるので、非常にCVしやすいキーワードとなります。
3-8.【ステップ7】どのページにリンクを集中させるべきかを検討する
オーディエンスジャーニーを元に、どのページからどのページに内部リンクを繋ぐのかといった戦略を練っていきましょう。
オーディエンスジャーニーを作成したとしても、ジャーニーの通りにユーザー行動を進めるためには、サイト内でユーザーが回遊するための内部リンクを設置しておく必要があります。
そのため、ユーザー行動を意識して、次にユーザーがどのステップを踏むのかを検討しながらリンク構造を考えていきましょう。
4.戦略を策定したら戦術に落とし込む
オウンドメディアは戦略だけを練られていたとしても、戦術に落とし込まれていなければオウンドメディアの成果は出ません。
そのため、戦略を策定したら戦略と一貫した戦術を組む必要があります。本章では、オウンドメディアの戦略を戦術に落とし込む際のポイントについて紹介していきます。
- CVに近い戦術から優先度をつける
- サイトのデザインやコピーとの一貫性を持つ
- SEOのみの囚われない
4-1.CVに近い戦術から優先度をつける
施策を回す際には、CVに近いものから優先的に回していきましょう。
一般的にはPVを稼げるものからと言われることも多いですが、PVを伸ばすことには時間がかかってしまうケースが多いです。そのため、PVを十分に稼いでからCVの施策を回すとなると、成果が出るまで非常に時間がかかってしまいます。
また、CVの施策を回すまで予算をかけ続けなければいけず、企業の中には体力的に厳しいものがあるでしょう。
そのため、CVに近い戦術から優先的に実行していくことで、少しでもCVを取りつつ、売上を上げながらオウンドメディアを大きくしていくことができます。
4-2.サイトのデザインやコピーとの一貫性を持つ
解像度の高いペルソナやニーズを設計できていたとしても、それがサイトに反映されていなければ意味がありません。いくら良い戦略が設計できたとしても、ユーザーに届けることができなければ成果(CV)には繋がらないでしょう。
サイトのデザインやコピーで注意するべきポイントとしては下記になります。
- サイト全体のデザインがペルソナとマッチしているか
- CVポイントとなるバナーCTAボタンのコピーがバリュープロポジションを理解できるものになっているか
上記のポイントを意識してCVするサイト設計にしていきましょう。
4-3.SEOのみにとらわれない
オウンドメディアの集客方法はSEOのみではありません。YouTubeやSNSなど様々な手法があります。
ユーザー行動を考えた時に、検索面だけではなく、SNSやYouTubeといった別チャネルを活用している可能性があります。
その際に、SEOだけに囚われてしまうと作成したオーディエンスジャーニーをユーザーが歩むことができない可能性がありますし、ユーザーとの接触機会が失われてしまう可能性があります。
そのため、SEOだけに囚われずユーザー行動やオーディエンスジャーニーを元に、マルチメディアでアプローチをするという選択肢を持っておくと良いでしょう。
5.まとめ
冒頭にもお伝えしましたが、オウンドメディアで成果を出すのであれば、戦略が大きな鍵を握ります。戦略がなくては、どれだけPVを集めることができたとしてもCVを生み出すことができません。
また、戦略をサイト上に反映することができなければ、良い戦略を作成できたとしても成果を出すことができないでしょう。
オウンドメディアで成果を出すためにも、運用に踏み切る前に戦略から固めていきましょう。