CVRとは?CVRの計算式や業界別の平均値も徹底解説
「Webマーケティングで重要なCVRとは?」
CVRは、Webマーケティングに携わっている人であれば知っておくべき用語です。
CVRは英語で ‘Conversion Rate’(コンバージョンレート)と言い、日本語では「顧客転換率」と訳されます。
コンバージョンはWebサイトの訪問者に取ってほしい行動を実際に取ってもらうことを意味します。
コンバージョン率とは、サイト訪問者に対してどれくらいの人が、企業が目的とする行動を起こしたかを示すもの。
コンバージョン率が高ければ高いほど、サイトの集客が成功していることを表します。
コンバージョン率が2%未満などと低いのであれば、サイトの作り方や集客法を改善してみてください。
「CVR計測が重要な理由とは?」
CTR(Google表示回数に対するサイトのクリック率)が高くても、集客法が上手くいっていないとCVRが低くなることがあります。
Webサイトが本来目標としている商品の購入や問い合わせが少ないのは、訪問者のサイト直帰率や離脱率が低いことと関連しているでしょう。
自分が運営するサイトのCVRを計算し、CVRが低いならばその原因を探してサイトの改善につなげましょう。
「CVRの計算式」
CVRの計算式は「CVR(%)=コンバージョン数÷サイト訪問数(セッション数)」です。
コンバージョン数には、サイトが目的とする商品購入数や問い合わせ件数、資料請求をした数などが入ります。
CVRと聞くと一見難しそうに感じますが、計算式はとてもシンプルなので誰でも計算できるでしょう。
「CVRの計算例」
CVRの計算例として、ここでは2つ例を提示します。
計算例A:
セッション数:2,000
コンバージョン数:20
コンバージョン数20÷セッション数2,000=0.01=CVR1%
計算例B:
セッション数:7,000
コンバージョン数:50
コンバージョン数50÷セッション数7,000=0.007・・・=CVR約0.7%
このように計算してみると計算例Bより計算例Aの方が、CVRが高いです。
AとB両方のサイトを運営している場合、計算例Bのサイトの改善を優先させる方が賢明です。
サイト集客の成果としてコンバージョン数だけを見るのではなく、CVRを計算することでサイトの改善点を探しやすくなるでしょう。
「CVRの計算方法について」
CVRの計算方法について、何をコンバージョンとするか、どの期間のコンバージョンで計算するかによってCVRの値が変わってきます。
他社のCVRを参考にする際も、その企業がどの値で計算しているかを確認するようにしてください。
またGoogle Analyticsを利用すると、広告を含めてSNSや検索エンジンなど全経路からのコンバージョン数とCVRを確認することが可能です。
Google Analyticsメニューで「コンバージョン>目標>概要」を見れば、サイト全体のコンバージョン率を確認できます。
流入元別にCVRを知りたい場合は、「メニュー>集客>すべてのトラフィック>チャネル」の順番でCVRを確認しましょう。
ランディングページ別のCVRは「メニュー>行動>サイトコンテンツ>ランディングページ」で確認します。
Google Analyticsでは1セッションを30分ごとに更新しています。
30分間サイト訪問者の操作がない場合はセッション切れとみなし、その後の操作は新しいコンバージョンとしてカウントされるのです。
「1.サイト全体のCVR」
先に説明したように、サイト全体のCVRを知りたい人は「Google Analyticsのメニュー>コンバージョン>目標>概要」を確認しましょう。
CVRは画面中央のグラフ下に表示されます。
同じページに「目標の完了数」「目標値」「目標全体の放棄率」「ユーザ登録(目標の完了数)」なども確認できるので、チェックしてみましょう。
「2.特定ページのCVR」
流入元別にCVRを知りたい人は、「メニュー>集客>すべてのトラフィック>チャネル」の順番でCVRを確認しましょう。
ランディングページ別のCVRは「メニュー>行動>サイトコンテンツ>ランディングページ」で確認が可能です。
「【業界別】CVRの平均値はどれくらい?」
次に、業界別のCVR平均値を見ていきましょう。
自分がいる業界のCVRを確認し、平均値より低ければサイトの改善をしてみてください。
平均値よりなぜ低いのか、その原因を考えることも重要になってきます。
ここでWordStreamが発表しているGoogle広告(旧Googleアドワーズ)の業界別CVRを紹介します。
業界 | CVR(リスティング広告) | CVR(ディスプレイ広告) |
BtoB | 3.04% | 0.80% |
EC | 2.81% | 0.59% |
自動車 | 6.03% | 1.19% |
教育 | 3.39% | 0.50% |
医療関係 | 3.36% | 0.82% |
法律関係 | 6.98% | 1.84% |
観光関係 | 3.55% | 0.51% |
テクノロジー | 2.92% | 0.86% |
産業サービス | 3.37% | 0.94% |
BtoCサービス | 1~2% | 1~2% |
マッチング・出会い関係 | 9.64% | 3.34% |
広告関係 |
引用:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]
※BtoCサービスのCVRのみ、目安の値を記載しております。
「BtoB」
BtoB業界のCVR(リスティング広告)は3.04%、CVR(ディスプレイ広告)は0.80%です。
リスティング広告とはGoogle検索エンジンの検索結果に沿って表示される広告を指します。
ディスプレイ広告は自分がWebサイトを見ているときに途中で出てくる画像広告や動画広告のこと。
前者は調べものに関連する広告が出るのでCVRが高めに出ている一方、後者は自分が興味のないジャンルの広告が突然出てくる仕様になっているので全業界のCVRは低めです。
BtoB業界とは ‘Business to Business’(企業間取引)のこと。
全業界でBtoB業界のCVRは平均を行っていますが、サイトの改善の余地はあります。
サイト利用者は「サイト内コンテンツの閲覧→サイト内のボタンをクリック→購入フォームに移動→コンバージョン」の順番で物を買います。
そのためコンバージョンに最も近い行為である、購入フォームの改善を最優先にしましょう。
H3小見出し「EC」
EC業界のCVR(リスティング広告)は2.81%、CVR(ディスプレイ広告)は0.59%です。
12業界のうち半数以上のCVR(リスティング広告)が3.00%を超えている中、EC業界は3%を切っています。
EC業界のCVRが低い原因はおもに2つ考えられます。
ひとつはサイト訪問者が期待していたペルソナと違っていて、コンバージョンに繋がりにくいキーワードからサイトに流入しているため。
もうひとつは、サイト訪問者にとって分かりづらいサイトになっているためです。
たとえば、ランディングページから問い合わせフォームに移動するまでに時間がかかる、問い合わせフォームの記入項目が多いといったことがCVR低下に起因するでしょう。
「自動車」
自動車業界のCVR(リスティング広告)は6.03%、CVR(ディスプレイ広告)は1.19%です。
これはマッチング・出会い関係、法律関係に次いで高い数値です。
自動車に関する調べものをする人は、すでに自動車の故障や事故などすぐに解決したい問題を抱えていることが多いので、この高い数値が出ているよう。
ディスプレイ広告では、自動車ディーラーの資料請求や試乗予約の広告が出てくるので比較的CVRが高く出ています。
株式会社MOTAはCODE Marketing Cloudを利用したところ、導入1か月でCVRが3倍も伸びたと報告しています(2019年10月31日、CODE Marketing Cloudの取材)。
「教育」
教育業界のCVR(リスティング広告)は3.39%、CVR(ディスプレイ広告)は0.50%です。
教育業界の場合、動画のCVRが静止画CVRより高い数値を出しているようです(2021年6月、RC総研の研究)。
スマートフォンで見る広告では、クリック率・獲得単価は動画と静止画で特に変わりません。
そのためこの業界では、動画と静止画両方の広告を配信していくことがCVRを伸ばす方法と言えます。
H3小見出し「医療関係」
医療関係のCVR(リスティング広告)は3.36%、CVR(ディスプレイ広告)は0.82%です。
医療業界は教育業界、観光業界、産業サービスと同程度の高いCVRを出しています。
「法律関係」
法律関係のCVR(リスティング広告)は6.98%、CVR(ディスプレイ広告)は1.84%です。
法律業界にとって、コンバージョンとはサイト訪問者が法律相談の予約を取ったり、資料を請求したりすることを指します。
顧客離れを5%改善すれば利益は最低25%改善されるという、5:25の法則があるのを知っていますか?
既存のお客様に忘れられないように注意しつつ、新しい顧客を得られるようサイト改善をしていくのがポイントです。
「観光関係」
観光関係のCVR(リスティング広告)は3.55%、CVR(ディスプレイ広告)は0.51%です。
北海道にある旅行会社は以前バナー広告を旅行関連サイトに利用していましたが、費用対効果が低下していました。
そこで検索広告を導入しGoogleのサポートを活用したところ、CTRが30%、CVRが4倍に上昇したそうです。
サイトでの離脱率が高い、予約の過半数がモバイルソースに起因するなどといった課題も、サイトを改善することで解決できます。
サイトの離脱率が高い場合は、その原因を複数個考えて一つひとつサイトの弱点を減らしていきましょう。
「テクノロジー」
テクノロジー業界のCVR(リスティング広告)は2.92%、CVR(ディスプレイ広告)は0.86%と割と低めです。
テクノロジー業界の中でも、ソフトウェアのCVRはハードウェアのそれより高めに出ています。
Webメディアを運用しているキュービックホールディングスは、リスティング広告運用にかかる負担が大きくサイト改善をする余裕がなかったそう。
他社からの推薦でMarin Search Enterpriseを導入すると、CVRが140%に増加しました。
「産業サービス」
産業サービスのCVR(リスティング広告)は3.37%、CVR(ディスプレイ広告)は0.94%と比較的平均の値を出しています。
産業サービスのCTRは2.61%と決して高くはありませんが、CVRはそこそこの値です。
さらなるCVR向上を見込み、サイトを改善してみましょう。
「BtoCサービス」
BtoCサービスのCVRは1~2%と見込まれています。
BtoB企業と違って、BtoC企業は実際に商品を購入した数をコンバージョン数としています。
問い合わせフォームに記入してもらうこと、資料を請求してもらうことを通り越した商品購入を目的としているためBtoB企業とは異なる戦略が必要です。
サイトでは商品やサービスを利用する利点を分かりやすく提示するなど、色々工夫してみましょう。
「マッチング・出会い関係」
全業界で最もCVRが高いのがマッチング・出会い関係です。
マッチング・出会い関係のCVR(リスティング広告)は9.64%、CVR(ディスプレイ広告)は3.34%とディスプレイ広告のCVRも高く出ています。
2019年、マッチングサービスPairsは累計会員数1000万人を突破し、男女別の広告や恋愛が面倒だと感じる層を対象とした広告が大変好評です。
「CVRが低いよくある原因とは?」
CVRが低い原因として考えられるのは、おもに3つあります。
1つ目はサイトにアクセスしてからコンバージョンに到達するまでの動線が分かりづらいため。
2つ目は広告で商品を買わせたいと考える内容とランディングページの内容に差があるため。
3つ目はコンバージョンを狙う対象と実際のサイト利用者にギャップがあるためです。
女性を対象としたサイトに男性ばかりが来ていては、離脱率が高くなりCVRも低くなってしまいます。
「CVRを改善するにはどうすればいいのか?」
CVRを高めるには、まずコンバージョンに近いサイトやフォームとランディングページを改善させましょう。
問い合わせフォームに記入すべき項目が多すぎるなどの問題がある場合は、改善してください。
ランディングページに、コンバージョンに繋がる要素が盛り込まれているかどうかも確認しましょう。
まとめ
今回はCVRの計算式と業界別の平均値などを紹介しました。
CVRと聞くと難しそうに感じますが、その計算式はとてもシンプルなものでした。
業界ごとにリスティング広告とディスプレイ広告のCVRがまったく異なる上、企業により何をコンバージョンとしているかは異なります。
他社のCVRと自社のそれを比較しすぎないようにしましょう。