Above the foldとは？SEOで重要なポイントについて解説
今回は、読者の滞在時間を伸ばし、SEOの評価を上げるために重要な要素である「Above the fold（アバブ・ザ・フォールド）」について解説いたします。
言葉の定義だけではなく、SEOに悪影響を与えるAbove the foldの特徴や、読者の離脱を防ぐポイントについてもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Above the foldとは
Above the foldとは、「読者がWebページに訪れた際、スクロールせずに観覧できる領域」を指す言葉です。別名「ファーストビュー」とも呼ばれており、むしろこちらの方をよく耳にする方も多いのではないでしょうか？ブログの場合は、ブログ名、タイトル、アイキャッチ、リード文などがAbove the foldに該当します。
逆に、スクロールしなければ見えない領域をBelow the fold（ビロウ・ザ・フォールド）と言います。ブログの場合は、リード文以降の「本文」「まとめ」などがBelow the foldに該当します。
Above the foldの重要性
Above the foldは、最初に読者の目に触れる部分であり、ページの第一印象を左右する非常に大事な要素です。「人の第一印象は3秒で決まる」と言われますが、Webページに訪れた読者も、Above the foldを見て「書かれている内容が自分にとって必要かどうか」を3秒で判断します。つまり3秒で読者の興味を引くことができなければ、「このページには良い情報がなさそうだ」と判断され、すぐに離脱されてしまうのです。一般的には「ユーザーの7割がAbove the foldで離脱してしまう」と言われているため、手間をかけてでも質を高めるべき領域と言えるでしょう。
現在、SEOにおいては「読者の滞在時間は大きな影響を与えない」とされていますが、それでも離脱率が高くて良いことは無いでしょう。「読者が簡単に離脱せず、思わず長時間滞在してしまうほど中身が濃いコンテンツを作る」という視点は非常に大切です。ぜひ読者にとって魅力的な、離脱率の低いAbove the foldを作りましょう。
Above the foldとページレイアウトアルゴリズムの関連性
Above the foldとページレイアウトアルゴリズムには、非常に強い関連性があります。ページレイアウトアルゴリズムでは、「Above the foldに多くの広告があり、スクロールしないと読者の求める情報が見つからないページの評価を下げる」という改善を加えたことが、2012年1月にGoogleによって発表されました。
| This algorithmic change does not affect sites who place ads above-the-fold to a normal degree, but affects sites that go much further to load the top of the page with ads to an excessive degree or that make it hard to find the actual original content on the page.（このアルゴリズムの変更は、スクロールせず見える範囲に一般的な量の広告を配置しているサイトには影響しません。しかし、ページ上部に過剰な広告を配置しているサイトや、コンテンツを見つけるのが困難なサイトには影響します。） |
引用： Google Inside Search「Page layout algorithm improvement」（2012.1.19）
このアルゴリズムに従うのであれば、Above the foldには過剰な広告を掲載せず、読者が求める情報を見つけやすいコンテンツを作ることが重要です。もし読者がページに訪れた際、画面が広告で埋め尽くされてしまっていたら、目的の情報を見つけることができず、使いづらいサイトになってしまうでしょう。このようなサイトが検索結果で上位に表示されてしまうと、読者の利便性が損なわれてしまいます。そのためGoogleは、アルゴリズムの改善を行い、ページ上部に過剰な広告があるサイトの評価を下げる判断をしました。「広告の掲載量もSEOに影響を与える可能性がある」という理解のもと、コンテンツを作成することが大切です。
Above the foldで離脱を防ぐ3つのポイント
Above the foldで離脱を防ぐ主なポイントは以下の3点です。
- 3つのNOTを理解する
- 読者の興味関心を把握する
- 読者の興味関心に基づいたAbove the foldを作る
1. 3つのNOTを理解する
Above the foldで離脱を防ぐためにも、まずは「3つのNOT」について理解しておくことが大切です。
3つのNOTとは、読者の特徴を表すもので、具体的には以下の3点を指します。
- 読まない（Not Read）
- 信じない（Not Believe）
- 行動しない（Not Act）
Webページに訪れた読者を文章に引き込み、信頼を獲得し、行動を促すには、3つのNOTをクリアする必要があります。この3点がクリアできなければ、読者をメルマガへ誘導することも、資料請求して頂くことも、商品を購入して頂くこともできません。
そして第一に優先すべきは、「読まない」の壁を突破することです。読者から信頼され、行動を起こしてもらえるコンテンツを作るには、何よりもまず先に「読者の興味を引く」必要があります。いくら良質なコンテンツを作っても、Above the foldで読者の興味を引くことができなければ「読まない」の壁を突破することはできず、信頼も行動もしてもらえないでしょう。
本記事のリード文が「読者の滞在時間を伸ばし、SEOの評価を上げるために重要な」という出だしから始まっているのも、あなたの興味を引くためです。「読者は基本的にコンテンツを読まないし、信じないし、行動しない」という前提を持ち、まずは興味関心に焦点を当ててコンテンツを作る必要があります。
2. 読者の興味関心を把握する
読者の興味を引くAbove the foldを作るには、「読者が求めている情報」を正確に把握する必要があります。その部分が曖昧になってしまうと、感覚でコンテンツを作ることになり、SEOで上位表示される確率が下がってしまいます。
例えば「マーケティングとは？」というテーマで記事を書く場合、そのキーワードで検索をする読者は、「マーケティングに関する基礎知識の解説」を求めています。そのような読者に対して、「ライティングテクニック」を一生懸命解説しても、興味を引くことはできず、すぐに離脱されてしまうでしょう。
大切なのは「読者が求めている情報」と「Above the foldに載せる情報」を一致させることです。そのためコンテンツを作成する際には、「マーケティングリサーチ」が重視されています。マーケティングリサーチとは、「マーケティングの課題に対して、有効な判断を下すために必要な情報の調査や分析」のことを指します。このマーケティングリサーチを通じて、「読者の興味関心を獲得するには、どのような情報を、どのような順番で伝えるといいのか？」を把握すると、離脱を防ぐAbove the foldを作ることができます。
SEOにおけるマーケティングリサーチには、主に以下のような手法があります。
- SEOツール（らっこキーワード、キーワードプランナー等）でキーワードを洗い出す
- 検索ボリュームや競合コンテンツの質を踏まえ執筆対象キーワードを選定する
- 対象キーワードで検索し競合コンテンツを分析して読者の求める情報を把握する
SEOにおいては上記のようなマーケティングリサーチを行うと、読者の興味関心を把握することができます。
3. 読者の興味関心に基づいたAbove the foldを作る
ブログにおけるAbove the foldの構成要素は「タイトル」「アイキャッチ画像」「リード文」であり、マーケティングリサーチで得た情報を元にこれらの質を高めることが「読者の興味関心に基づいたAbove the foldを作る」ことに繋がります。
「タイトル」「アイキャッチ画像」「リード文」において、主に大切なポイントは以下の通りです。
- タイトル・・・読者の求めている情報が書かれていることを伝える、数字を使う、手軽さを伝える、常識を覆す衝撃の事実を伝える、緊急性を伝える、リスクを伝える、等
- アイキャッチ画像・・・読者が興味関心を持つワードを使う、コンテンツ内容を端的に伝える、見やすくわかりやすいデザインにする、コンテンツ内容に沿った写真やイラストを使う、等
- リード文・・・コンテンツ内容を端的に伝える、読む価値を伝える、実績や経験などの権威性を示す、等
様々なテクニックがあり奥が深いので、ぜひご自身でも調べてみてください。また上記に挙げたテクニックを、全て同時に満たす必要はありません。ご自身が作成する記事によって、適したテクニックを選ぶことが大切です。ポイントを押さえ良質なAbove the foldを作りましょう。
まとめ
Above the foldとは、読者がWebページに訪れた際、スクロールせずに観覧できる領域のことで、Webマーケティング業界では一般的に「ファーストビュー」と呼ばれています。最初に読者の目に触れる部分であり、ページの第一印象を左右する非常に大事な要素です。過剰な広告は掲載せず、「タイトル」「アイキャッチ画像」「リード文」の質を高め、ぜひ読者の興味関心を引くAbove the foldを目指しましょう。