SEO対策費用へ対応した勘定科目と仕訳方法を徹底解説

SEO対策を行おうと検討している方の中で、「SEO対策費用の勘定科目が分からない」といった悩みを抱えている方は一定数存在します。
一般的にSEO対策の勘定科目は「広告宣伝費」として計上できます。
しかしサーバーやドメインといった費用での勘定科目など、細かく仕訳しようとすると意識すべき条件項目が多数あります。
そこで本記事では、SEO対策費用を踏まえた勘定科目と仕訳方法、そして補助金制度について解説していきます。
SEO対策費用の経費処理
SEO対策でかかった費用は「広告宣伝費」で計上するのが一般的です。つまりSEO関連費用は「広告宣伝費」勘定を利用して処理し、委託した期間の費用として処理します。
理由はSEO対策によって検索上位獲得・ホームページアクセス数の増加・サイト内のコンテンツ閲覧数アップを行い、会社や商品を知ってもらうために働きかけているためです。
一方でSEO対策費用の内訳によって科目を変更する場合、コンサルタント費用は「業務委託費」または「支払手数料」として処理します。またSEO対策会社に依頼せず、SEO対策用の外部ツールを使用した際の費用は「ソフトウェア」としての会計処理が可能です。
SEO対策費用の仕訳具体例
まずは一般的な例として、SEO対策にかかる費用を「広告宣伝費」として計上した場合を紹介します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
広告宣伝費 | 100,000 | 当座預金 | 100,000 |
「借方:広告宣伝費」「貸方:当座預金」として計上しましょう。
次にSEO対策費用の内訳によって科目を変更した場合について紹介します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
広告宣伝費業務委託費通信費ソフトウェア支払手数料 | 50,00020,0008,0008,00014,000 | 当座預金当座預金当座預金当座預金当座預金 | 50,00020,0008,0008,00014,000 |
上記で解説した「広告宣伝費」「業務委託費」に加え、「通信費」はホームページ制作、ドメイン代、サーバー代を含んだ費用です。
以下の章でさらに詳しく解説します。
SEO関連費用の勘定科目
SEO対策を行っていく上で様々な諸費用が重なります。
SEO対策費用を「広告宣伝費」として計上するだけではなく、上記で触れたようにより細かく分ける場合が存在します。
- サーバー費
- ドメイン費
- SSL証明書取得費
- コンテンツ制作費
本記事では具体的に上の4つを取り上げて解説していきます。
前提として、勘定科目は自由に設定が可能ですが、仕訳方を明確にしておくことでより仕訳が簡易的になります。
サーバー費
サーバー費用は「通信費」「ソフトウェア」「支払手数料」として計上します。
サーバーとはホームページやサイト上の情報を保存し、リクエストに応じて返答するコンピューターを指します。サーバーは自社内で用意することがありますが、レンタルサーバーなど外部サービスを利用することもあります。
レンタルサーバーの費用は月額約1000円です。
他の通信費とまとめずに処理したい場合は「レンタルサーバー代」といった勘定科目を設けても問題ありません。
ドメイン費
ドメイン費用は「通信費」「ソフトウェア」「支払手数料」のいずれかに当てはめることが可能です。
ドメインとはインターネット上の住所としての役割を発揮する、https://~.comなどといったリンクを指します。ドメインを取得するためには費用がかかるケースが存在します。
ドメイン費用はドメイン管理会社で取得後、年間契約で利用料を払うケースが一般的です。
一方で1年以上継続予定のドメインは「繰延資産」に計上する場合があります。
ドメイン費用は年間で数百円〜数千円です。
SSL証明書取得費
SSL証明書取得費用は「通信費」「支払手数料」で計上することができます。
しかし高額なSSL証明書の場合は資産計上して減価償却することがあります。
SSLとは、ホームページでユーザーが入力した情報を暗号化することで安全性を高める仕組みです。SSLの仕組みが十分にサイトサービスとして備わっていない場合、個人情報やクレジットカード情報の流出危険性があります。
無料のSSL証明書がある一方で、中には数十万円する証明書も存在します。
コンテンツ制作費
コンテンツ制作費は「広告宣伝費」として処理が可能です。
しかし「オンラインショッピング機能」や「予約機能」などの高機能プログラムを導入したコンテンツの場合は「無行固定資産」に該当します。
Webサイト制作後も定期的にコンテンツ制作を外部に依頼すれば、コンテンツ費用が必要です。具体的には新規記事の追加・公開記事の修正・写真編集などです。
SEO対策費用に向けて補助金を活用する方法
上記まではサイト制作を行う中でのSEO対策費用を中心的に解説しました。
次に以下では、サイト制作で活用できる補助金を取り上げて具体的に紹介していきます。
以下の3つが挙げられます。
- IT導入補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 地方自治体のホームページ制作費用補助金
それぞれの条項を読み、条件に該当する場合は活用を検討してみましょう。
IT導入補助金
IT導入補助金は経済産業省管轄の補助金制度です。最大補助率1/2、最大補助額450万円の補助金を得ることができます。セキュリティ推進枠があるため(最大補助率1/2、最大補助額100万円)、サイト運営の際に活かすことが可能です。
以下で紹介する小規模事業者持続化補助金よりも制度自体が緩いため申請通過を行いやすいです。
しかし資本金額の上限などがあるため、事前把握すべき点はあります。
IT導入補助金はECサイトなどのホームページ制作に加えて会計システムなどの作業効率化ツール導入の支援も行っています。
「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入枠」があるため、必要に応じた枠で申請しましょう。
※IT導入補助金2022から引用
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は日本商工会議所が提供する補助金制度です。最大補助率2/3、最大補助額200万円の補助金です。また補助金に加えて商工会からの支援を受けることが可能です。
基本的には数人から数十人規模の小規模事業者が対象です。しかし特別な要件を満たすことで特定非営利法人が申請可能となる場合は存在します。一方で医療法人・宗教法人などは対象にならないため注意が必要です。
小規模事業者持続化補助金は申込期間が定まっているため、公式サイトからのこまめなチェックが必要です。年に1回程度の募集なので、募集を逃すと来年になってしまうことを留意しておくことが大切です。
以下に記載した補助対象者(一部記載)に該当するかをチェックした上で検討してみましょう。
※令和元年度補正予算・令和 3 年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>から引用
地方自治体のホームページ制作費用補助金
地方自治体が独自の取り組みとしてホームページにかかる諸費用を補助・助成してくれるケースがあります。
国による少額規模事業者持続化補助金との併用ができないことを覚えておきましょう。事前に双方を比較検討して申し込むのがおすすめです。
事業計画書を作成・提示しなくとも申請可能な場合があるため利用しやすいのが特徴です。
まとめ
本記事ではSEO対策費用における勘定科目や仕訳方法、補助金制度について解説しました。
正確に仕訳する必要がある一方で、法律や条文では難しい言葉の言い回しが使われているため混乱してしまうのもまた事実です。
本記事を参考にしながらWebサイトにかかる費用を正しく経理処理してください。